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「SDGs=社会貢献」ではなく、本業の中に眠っている価値を掘り起こして、社会にも会社にもインパクトを生み出して持続的に成長していくこと。
この連載では、京都の企業が育ててきた“サステナビリティのタネ”を、取り組みの背景や工夫、そしてビジネスにつながったポイントまで含めて紹介します。
ファイテンが掲げるこのスローガンは、企業姿勢を示す言葉であると同時に、事業そのものを貫く軸でもあります。
今回は、ファイテン株式会社の経営企画室 副室長・松田様にインタビューをさせていただきました。
サプリメントやボディケア商品を手がける企業として知られる同社は、環境に配慮したものづくり、そして地域とつながる活動を積み重ねてきました。取材を通して見えてきたのは、本業を起点に社会課題と向き合い続ける企業の姿でした。
ファイテンが大切にしているのは、健康をイメージや流行で語らないことです。
商品開発においては、臨床試験などの学術的な根拠を重視し、「本当に役立つのか」「長く使ってもらえるのか」という視点を欠かしません。
また、環境への配慮についても、特別な活動として切り分けるのではなく、日々のものづくりの中に組み込んでいます。プラスチック削減を意識したパッケージの採用など、できることを一つずつ積み重ねる姿勢が印象的でした。
「何か新しいことをする」というよりも、今やっている事業をどうアップデートしていくか。その延長線上に、ファイテンのSDGsの取り組みがあります。
2017年から続く「クロスチーム」との協業は、ファイテンの姿勢を象徴する取り組みの一つです。
障がいのある3人のデザイナー、プロのデザイナー、そしてファイテンがチームとなり、Tシャツなどのプロダクトを生み出してきました。
ファイテンのデザイナーチームと協同創作の様子
この取り組みのきっかけは、全日空(ANA)とのご縁でした。機内で使用されるアメニティ類を採用されたことを契機に話が広がり、クロスチームとの共創へとつながったといいます。
特徴的なのは、その“見せ方”です。
「福祉のために買ってください」という訴求はしていません。あくまで、デザインとしてかっこいいから選ばれる。結果として、その購入が社会的な循環にもつながっている。そんな自然な形を大切にしています。
実際に発売されている共創Tシャツ
実際に商品はファイテンショップやECでも販売され、収益にもつながっています。社会性とビジネスが無理なく両立している点は、同様の取り組みを考える企業にとっても参考になりそうです。
クロスチームとの取り組みは、思いがけないご縁も生み出しました。
活動を知ったことをきっかけに、病児の付き添いケアに取り組む団体と出会ったといいます。
当初は、入院中の子どもに付き添う親御さんや家族をサポートされている「キープ・スマイリング」の活動に賛同して入院病棟で不足していた親御さん用の添い寝寝具を、ファイテンが寄付する形で関係が始まりました。しかし、実際に使ってもらう中で品質や機能性が評価され、現在では病院側が購入する形へと変わっています。
「コツコツ続けてきたことが、企業姿勢として伝わり、結果的にビジネスにつながっていると感じています」
サステナブルな取り組みが、単なる“良い話”で終わらず、信頼の蓄積として事業に返ってくる。その実感が語られていたのが印象的でした。
ファイテンの技術力を象徴する事例として紹介されたのが、京都商工会議所「第2回知恵-1グランプリ(2021年度)」にチャレンジ部門で優秀賞を受賞した「お気に入りの衣類をリラックスコーティング」です。
>詳しくはこちら (https://www.kyo.or.jp/chie/contest/gp/117441.html)
これは、カラダをリラックス状態へとサポートするファイテン独自の「水溶化メタル技術に光テクノロジー「健光浴(R)」を照射させて、霧状に噴霧し、衣類や靴をはじめ車内や住空間(天井・壁・床)にコーティングするもの。
着用を重ねて古くなった衣類は、どうしても廃棄されがちです。そこにファイテンの技術を施すことで、新たな付加価値を与え、長く使ってもらえるようにする。結果として、ごみ削減にもつながる取り組みとなりました。
その後、ファイテンショップやECサイト対応を整え、2023年5月よりアイテムや車内空間から寝室などの住空間までをファイテン化できる「ナノメタックスコーティング」として本格的にサービス提供を開始しました。
各地のイベント会場でお客様より預かったアイテムをその場で専用のサービスカーに搭載された全自動化した機械で施します。
この技術はBtoBでも活用されています。
ある紳士服メーカーでは、売れ残っていた商品にコーティングを施したことで、完売につながったケースもあるそうです。
環境配慮とビジネスが対立するものではなく、技術次第で両立できる。ファイテンらしい発想が感じられました。
ファイテンは京都に本社を置く企業ですが、まだまだ「京都企業」としての認知は十分ではないと感じているそうです。だからこそ、地元・京都とのつながりを大切にしています。
同志社大学との協同による化粧品開発や、宮川町の舞妓さんとコラボした高洗浄かつ肌にやさしい「おしろい落とし」の開発など、京都ならではのご縁から生まれた取り組みも始まっています。
京のおしろい落としシリーズ
「京都は“ご縁”の街。横のつながりが、また次の出会いやビジネスを連れてきてくれます」
この感覚、京都で働いている人なら「わかります」と言いたくなるのではないでしょうか。
待っているだけでは何も起きないけれど、イベントや交流会に参加していくと、少しずつ“次の扉”が開いていく。
その言葉通り、ファイテンは人や企業との関係性を、短期的な成果ではなく、長い目で育てています。
これまでファイテンのSDGsの取り組みは、個々の活動として“点”で存在していました。
しかし、商工会議所や金融機関が主催するイベントへの参加や、京都市SDGsパートナー制度を通じて、企業同士がつながることで、それらが“面”として広がり始めています。
大企業との取引においても、京都マラソンや車いすマラソンのサポートなど、継続してきた活動を見てもらうことで、信頼や信用につながっていると感じているそうです。
ファイテンの取り組みは、派手に「SDGsやってます!」と掲げるというより、本業で健康を支え、技術を伝わる形にして、京都のご縁を育てていく——その積み重ねでした。
そして、コツコツ続けたことが、認知になり、信頼になり、ビジネスにもつながっていく。
その“いい循環”を、取材を通して確かに感じました。
きょうとSDGsネットワークでは、月に1回、メールマガジンを配信しています。
京都市内で開催されるイベントや交流会の情報を掲載していますので、これを機に京都SDGsパートナー制度にご登録いただき、情報源の一つとしてみてはいかがでしょう?
この流れは、きっとまた新しい京都のSDGsパートナーへ。
京都のまちで広がるストーリーは、まだまだ続きます。
京都SDGsパートナー制度について詳しくはこちら(https://eco.kyoto-u.ac.jp/sdgs/kyoto-times/partnership/)
| 店舗・施設名 | ファイテンショップ 京都烏丸店 |
|---|---|
| 住所 | 京都市手洗水町 678 四谷学院京都ビル1階 |
| 電話番号 | 075-254-3580 |
| 交通 | 阪急京都線「烏丸」駅、地下鉄烏丸線「四条」駅22番出口より徒歩3分。 |
| ホームページ | https://www.phiten.com/ |
Writerデジスタイル京都スタッフ
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Writerデジスタイル京都スタッフ
タカラサプライコミュニケーションズではたらく京都大好きメンバー。 定番から穴場まで、幅広いKYOTOの情報をお届けします!
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Facebook:https://www.facebook.com/digistylekyoto/
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