2025.08.29

京都で体験できる、紙や印刷にまつわるワークショップをレポートする「紙と印刷で巡る京都」。

第3回目は、『京からかみ体験工房 唐丸(からまる)』の「御朱印帳づくり体験」をレポートします!

 

伝統工芸品「京からかみ」の工房兼ショップ

2017年にオープンした『京からかみ体験工房 唐丸(からまる)』は、日本の伝統工芸品・京からかみを製作する「丸二(まるに)」が運営する工房兼ショップ。

 

メッセージカードやハガキなど、京からかみのグッズを買えるほか、御朱印帳づくりなどのワークショップを体験することができます。

地下鉄烏丸線「四条駅」から歩いて5分ほど。佛光寺の近くにあるのが『京からかみ体験工房 唐丸(からまる)』です。

 

ショップには唐紙のメッセージカードや、唐紙文様をイメージしたスタンプなど、普段づかいできる商品が並んでいます。

上品で落ち着いた雰囲気のショップ

 

壁に飾られているパネルや照明などのインテリア用品も購入することができますよ。伝統工芸品でありながらモダンな雰囲気も感じられる唐紙は、暮らしを優雅に彩ってくれそうです。

 

「京からかみ」とは?

唐の国から伝えられた「唐紙」は、平安時代初期に、貴族が和歌や文を綴るための料紙として使われ、京の都ではぐくまれました。文様を彫った版木に絵具をのせ、手のひらで一枚一枚摺りあげるのが特徴。

主にふすま紙や壁紙に使用されます

 

元々、京都には十数軒の唐紙屋があったそうですが、数は減る一方。そのことを憂いた丸二の先々代が「この技術を途絶えさせてはいけない」という思いで、唐紙を復興させました。

 

この思いを受け継ぎ、多くの人に唐紙の魅力を伝えるためオープンしたのが、『京からかみ体験工房 唐丸(からまる)』です。

 

本格的な唐紙摺り体験

 唐丸で体験できるワークショップは「ハガキ摺り体験」「御朱印帳づくり体験」「唐紙摺り体験と工房見学」「照明づくり体験」「パネル作り体験」の5種類。

 

「ハガキ摺り体験」以外は、古くから受け継がれてきた版木を使用します。古いものだと江戸時代の版木も。江戸時代の職人が使っていた版木に触れ、同じように摺り上げる。本格的で貴重な体験に背筋が伸びます。

中には天保八年の版木も

 

今回は「御朱印帳づくり」を体験しました。所要時間は約1時間〜1時間半、参加料金は6,000円で、同時に6名まで体験できますよ。

 

体験の流れ

(1)京からかみについて学ぶ

まず動画を視聴して、京からかみについて学びます。

(2)絵具、版木、和紙を選ぶ

お話を伺いながら、絵具・版木・和紙を選びます。絵具は雲母(きら)と金彩の2色があり、月によって使用できる色が変わります。

 

雲母は花崗岩の結晶が原料でパールのような光沢のある白。金彩は名の通り、ゴールドで華やかな色です。

今回は、金彩で体験しました

 

次に版木を選びます。版木は、季節に合わせた文様1つと定番文様2つの計3種類の中から選べます。月替わりで違う文様が登場するので、リピートしたくなりますね。

 

8月の版木の文様は「獅子丸唐草(ししまるからくさ)」。獅子座の季節に合わせて選ばれたそうで、8月生まれの私は迷うことなくこの文様に。誕生月に訪れて贈り物を作るのも良いなと思いました。

円形の中に、2頭の獅子が溶け合うように描かれています

 

最後に20色以上の和紙から、好きな色を1枚選びます。この和紙は、越前で作られた「鳥の子紙」。鳥の卵のような肌ざわりゆえ、その名が付けられました。豊かな風合いで、触れているだけで癒されるという感じです。

このように絵具・版木・和紙を組み合わせることで、オリジナルの京からかみを作ることができます。

 

(3)篩(ふるい)で版木に絵具をのせる

篩(ふるい)に絵具をのせてもらったら、ポンポンと優しく置くようにして、版木に絵具をのせていきます。刷毛で直接塗らないところが、唐紙独自の手法です。

 

(4)和紙に摺る

和紙の両端を持ち、中心から版木にそっと載せ、両手で円を描くように撫でて摺ります。圧力をかけすぎずに摺るのがポイント。

一度摺れたら、片端を持ち上げ、半分ずつ二度摺りします。

バレンなどは使わず、一枚一枚、手で摺るのが唐紙の特徴。大きなふすま紙や壁紙も、版木をずらして文様を連続させながら摺ります。

美しい摺りあがりに歓声があがります

 

(5)唐紙で表紙を作り、本体につける

摺りあがった京からかみを御朱印帳の表紙のサイズに切り取ります。文様のどこの部分を切り取るか、考えるのも楽しい時間。

表に獅子模様が、裏に花が出るよう切り取りました

 

切った京からかみを台紙に貼り、表紙を仕上げます。余った部分は持ち帰ることができます。飾って楽しむほか、スマホケースに挟む人もいるのだそう。

 

最後に、京からかみを御朱印帳本体に貼り合わせて完成です。

 

(6)完成

オリジナルの御朱印帳が完成しました!濃紺の和紙に、ゴールドが映えます。金彩の部分は立体感があり、ふっくらとした質感が味わい深いです。

さっそく六角堂で御朱印をいただきました。寺社巡りがますます楽しみになりました。

 

受け継がれる、京からかみへの思い

唐丸には、年間約2000人が体験に訪れます。観光で京都を訪れる方はもちろん、親子で体験したり、記念日に体験をされる方たちもいるのだとか。「唐紙のことをもっと深く知りたい」というリピーターの方も多いそうです。

 

「そんな方に向けて、オーダーメイドのプランを作ってみたいですね。書家や芸術家の方とコラボレーションもしてみたいです」そう話すのは、今回ワークショップを担当してくださった上田さん。新たなプランも考案中とのことで、「多くの人に唐紙を知ってもらいたい」という思いは、絶えず受け継がれていると感じました。

新たなワークショップも考案中。期待が高まります

 

本格的な唐紙摺りが体験できる、『京からかみ体験工房 唐丸』の「御朱印帳づくり体験」。所要時間は約1時間〜1時間半、参加料金は6,000円で、オリジナルの御朱印帳を作れます。

 

同時に6名まで体験できるので、友人や家族と、ご一緒に体験してみませんか。

 

気になった方はぜひ下記ページからご予約くださいね。

https://airrsv.net/karamaru/calendar

 

 

写真:はつお(https://www.instagram.com/hatuo/

Information
店舗・施設名 京からかみ体験工房 唐丸
住所 京都市下京区泉正寺町460
電話番号 075-361-1324
営業時間 10:00〜17:30
定休日:水曜日・日祝日(不定休)・盆正月
交通 地下鉄烏丸線「四条駅」5番出口より徒歩約5分
阪急京都烏丸線「烏丸駅」15番出口より徒歩約8分
ホームページ https://karamaru.kyoto/

Writer伊賀朝代

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Writer伊賀朝代

ライター。1歳と5歳の子どもたちと、本と紙ものに囲まれて暮らす日々。学生時代を過ごした京都が忘れられず、15年以上通い続けています。ZINEを独立系書店に置いてもらう傍ら、本屋をひらく準備中。読むこと、書くこと、つくることを通して、小さな居場所をつくろうとしています。
WEB:https://lit.link/yoyobooks

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