フルーツサンドの隠し味に、アレを!?
そしてもうひとつ。
私が気になってしょうがなかったサンドイッチ。
「フルーツサンドウィッチ」(400円)。
「見よ! この断面」と言わんばかりのバランス!
薄くスライスしたフルーツ(缶詰のパイン、みかん、黄桃)の甘みとしゃきしゃきの生リンゴの食感と。そして…このほどよい塩味は何だろう?
なんと! パンに塗られているのはマヨネーズでした。
「何十年か前に流行ったスタイルのフルーツサンドみたいです。私も別のお店で食べたことがあって、もし出すのであれば、これがいいなと思って始めました」(知恵さん)
おいしいサンドイッチ作りでのポイントを尋ねると、
「パンがおいしいことじゃないでしょうか」との答え。
そして、「おいしい素材に私たちは少し手を加えているだけなんです」。
修行探訪17軒目から得た学び。
「おいしい素材に、少し手を加える、だけ」
飲食・空間そのどちらも、無理はしないけど、しっかりとこだわるところはこだわる―そんな流儀が感じられるお店なのです。
「あんバターサンド」「フルーツサンドウィッチ」いずれも午後2時から提供されるメニューです。
飲み物も喫茶店はこうでなくっちゃ、というお値段設定のメニュー(今月の珈琲や、季節に応じたドリンクなど、内容に随時変更あり)。
モーニングも気になります。厚めのトースト、いいなぁ
「僕も喫茶店めぐりは好きなんですが、妻の熱意には勝てません」と辰紀さん。
物腰が柔らかくて、喫茶店のマスターにぴったりな方です。冒頭で、〝シルバーグレー〟の人じゃなかったみたいな書き方をしてごめんなさい(笑)
店内は、4人がけのテーブル席が2つとカウンター席、写真のソファ席があります。
取材に訪れたとき、このソファ席には人がずらり。スイーツをシェアするご夫婦、たばこをくゆらせのんびりする男性、読書をしている方など、めいめいがくつろいでおられる様子が、なんとも好ましかったです。
入り口の本棚には、さまざまなジャンルの本が。公園が近いので、子ども連れのお客さんも多いそうでおもちゃが置かれた棚も。
ここにもとあった喫茶店同様、街の人に愛される存在、ひと息つける〝止まり木〟になっているんだろうな、という気がしました。