- 2023/07/03
- 【京都市内&天橋立】京都三昧☆ 映画『1秒先の彼』のロケ地に注目
ようこそおおきに。椿屋劇場支配人こと、ライター椿屋です。
みなさん、京都お好きですか? 映画館、お好きですか?
っていうか、当連載のわたくしのテンションについてきてくださってますか? みなさまー!ついてらしてー!! というわけで、2回しか本編やってないのに早くもスピンオフですよ。
「映画は映画館で観てこそ映画」
これ、わたくしの信条でございます。
そのため、「スクリーンで観逃した作品は潔く諦める」。
これもまた、わたくしの主義。
と格好をつけてみせても、諦め切れず悔いることもままあるわけで、自然、リバイバルやアンコール上映を積極的に行ってくれるミニシアターは後光が射して見えるほど心強い味方なのです。
市内には、最も古い「京都みなみ会館」、街中ど真ん中の「京都シネマ」、そしてオープン間もない「出町座」という3軒のミニシアターが、電車とバスを駆使すれば(体力に自信があれば自転車がスムーズですが……わたくしはご勘弁願いたい)、はしごも可能な距離に点在しています。
さて、まずはここ「京都シネマ」さんから。
現在の「COCON KARASUMA」に移転する以前から会員として通い詰めていて、京都でわたくしがもっとも頻繁に出没する単館系でございます。実は、手足の生えたジャガイモが遠くから走ってくる某番組から出演オファーを頂戴した際、お気に入りの場所としてロケに使わせていただいたこともあるほど。
はい、証拠写真を置いておきますね。
開館前からスタッフさんにもご協力いただきました。その節は、本当にお世話になりました。
アクセスの良さはもちろんのこと、ほどよいサイズ感のスクリーンが同じフロアに3つあり、ひとつのスクリーンで複数の作品を上映するスケジュールからはしごも容易、15分前からの番号順案内で中は自由席という程よく昔ながらのシステムも映画館好きにはたまりません。また、エンドロールで不用意に立ち上がったり、スマホを光らせたりするマナー違反がない客層の良さも落ち着く所以。
較べて、よりマニアックさで際立っていたのが、第1回冒頭でも触れた「日本映画発祥の地」に立つ元立誠小学校内で運営されていた「立誠シネマ」さんです。入り口に積み上げられた座椅子を抱えて入り、好きな場所に置いて鑑賞するというスタイルが斬新でした。
ここで観た作品で何より印象に刻まれているのは、『どうしても触れたくない』。「腐女子」など疾うの昔に卒業し、もはや「貴腐人」の域に達しているBL脳のわたくしにとって、この上映は小躍りどころの興奮ではすまなかったのです!! いま思い出しても心拍数が跳ね上がる!!!はぁはぁはぁ……(あら? みなさん、どちらへ??)
閑話休題。
惜しまれつつ2017年7月30日をもって閉館した「立誠シネマ」でしたが、その後、同年12月28日に「出町座」として出町枡形商店街の仲間入りを果たしました。
「出町座」さんは地下と2階にシアターを有する複合施設で、1階にはカフェ「出町座のソコ」と本屋「CAVA BOOKS」が入り、3階はギャラリーという映画だけに留まらないカルチャーの発信スポットとして早くも注目を集めています。
※詳しくは、こちらの記事を参照のこと。
新たなハコでのラインナップは、「“観たいものと観せたいもの”をかけることができるのは贅沢なこと。仮に好きな作品でなかったとしても、お客さんの要望を参考にしながら、社会的視点から際立ったメッセージや表現があるかどうかで選びます」というシマフィルム(株)の田中さんの言葉から推して知るべし。
「ここを、シネコンと対立関係では考えていません。メジャーとかマイナーではなく、(映画館という)ハードそのものが危機にあるいま、別々の形態を活かしながら、映画を観る人たちの文化が残していけるかどうかが課題です」という冷静かつ情熱的な想いを胸に、クラウドファンディングで会員を募り、「出町座」をつくり上げました。この場所ありきで「参加して、一緒に育ててもらいたい」と、田中さん。ごもっともでございます。
まずは、前篇を観たあと少しテンションが下がっていたものの信頼する映画友が薦めてくれた『あゝ、荒野〈後篇〉』を観に行くとしましょう。