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ようこそ、おおきに。映画ライター椿屋です。
みなさん、京都お好きですか? 祇園、お好きですか?
今回ご紹介するのは、まだ撮影が終わっていない映画について。
22歳の若手映画監督・柳明日菜さんが手掛ける『ちいさな石のリオ』は、2027年秋の公開を目指して絶賛製作中。なんですが! 昨年11月に出資者の一方的都合で、突然打ち切られてしまいました……。どんな大人の事情があるのかはあずかり知らぬこととはいえ、「はい、そうですか」と呑めるはずがありません。再開見通しがつかないまま物語を書き上げた柳監督が、その完成脚本を、企画にかかわっていたプロデューサー・奥山和由氏(北野武さんや藤井道人さんなど、多くの監督を世に輩出してきたあの!映画界のレジェンドですよー!!)に送ったことで、撮影は再び動き出します。
とはいえ、自主製作であっても映画づくりにはとかくお金がかかるもの。ほら、かの有名な『侍タイムスリッパ―』(https://www.digistyle-kyoto.com/magazine/46480)を撮った安田淳一監督だって、自腹切りすぎて口座残高が数千円にまでなったほどですから……。
そこで現在、映画『ちいさな石のリオ』完成への支援を募るクラウドファンディングが立ち上がっているのです。
(c)チームオクヤマ
1958年に八坂神社前に建てられた祇園会館は、1階に映画と演劇に対応可能な大劇場(500人収容)を備え、長らく名画座として親しまれてきました。かつては、ディスコやホストクラブが入り、時代の変化を見つめてきた建物でもあります。
撮影:松村シナ
初監督作品『レイニーブルー』(2025年/桃)を見た人から、「祇園会館のドキュメンタリーを撮らないか?」という提案を受けた柳監督。何度も京都へ通ううち、祇園会館に大きな「いのち」を感じるようになったといいます。
積み重なってきた歳月が肌で感じられる古い劇場ならではの空気感、そこに沁み込んだ人々の記憶や想い――。祇園会館の客席に一歩足を踏み入れると、初めてであってもどこか懐かしい気持ちになるものです。
(c)チームオクヤマ
主人公は柳さんそのままのキャラクター。創作の現場で傷つき、自分が何をつくりたかったのか見失いかけている映画監督です。映画の道を志すきっかけとなった作品に出合った祇園会館を再訪した彼女は、様々な人たちの想いにふれていきます。
(c)チームオクヤマ
老いを抱えながらも劇場を守り続ける支配人に柄本明さん、元芸妓役に松坂慶子さん、映画プロデューサーは加藤雅也さん、祇園会館の行く末を見守る男を演じる竹中直人さん。そして、小沢仁志さんが祇園会館を狙う地上げ師、浅田美代子さんが、かつて『ちいさな石のリオ』を世に送り出した映画監督に扮するなど……奥山さんのお声がけにより、錚々たる俳優陣が集結。否が応でも期待が高まります。
(c)チームオクヤマ
彼らが体現する人物に重ね合わされる劇中劇のアニメーション映画『ちいさな石のリオ』は、風に吹かれ、何かと出合い、ときに寄り添い、やがて変わっていく小さな石・リオの旅を描く物語。カタチを変えながらも誰かへと受け渡されていく存在を映し出すことで、命は直線的に消えていくものではなく、受け継がれ、巡り続けるものであることを伝えます。
ドキュメンタリー映像と相俟って、物語の核となるアニメーションを担当するのは外山光男さん。彼の作品に魅せられた柳監督は「言葉にできない感情の揺らぎや、それらの先にある温もりを、独自の緻密な色彩と詩的な音響で描き出す極上の『映像詩』」と絶賛。彼女の熱烈なオファーが叶い、命が吹き込まれたリオに劇場で会える日がいまから愉しみです。
ちなみに、この祇園会館。2011年には『よしもと祇園花月』が入ったことで話題となりました。2025年8月の撤退ニュースには多くの人が驚かれたことでしょう。その後、2026年5月に京都初となる常設の旅芝居小屋『祇園呉服座』がオープンし、注目を集めています。
演劇ジャンルのひとつである旅芝居(大衆演劇)とは、「旅役者」と呼ばれる芸能集団による娯楽性豊かなエンターテインメントで、そのルーツは江戸時代まで遡ります。固定の劇場を持つ大歌舞伎に対して、地方を巡業するスタイルで発展し、独自の路線を築いてきました。和物をベースとする日替わりの芝居と舞踊ショーがセットでリーズナブルに楽しめます。旅芝居の世界にふれたことのない人は、ぜひ一度生で体感してみてください。
加えて、「祇園会館」は花街・祇園東の芸舞妓による舞踊公演『祇園をどり』の会場としても知られています。毎年11月1~10日の10日間、13:30/16:00の1日2回公演で行われ、毎回オリジナルの脚本による長唄、清元の舞踏メドレー、華やかなフィナーレが見どころ。詳しくは、「祇園東歌舞会」(https://www.gionhigashi.com/index.html)のサイトをご覧ください。
どちらも劇場の雰囲気を味わうには、もってこいの公演です。
撮影:松村シナ
◎作品情報
『ちいさな石のリオ』
クラウドファンディング:https://www.glocal-cf.com/project/rio
2027年秋公開予定
出演:柳明日菜、柄本明、松坂慶子、浅田美代子、加藤雅也、小沢仁志、竹中直人、ほか
監督・脚本:柳明日菜
プロデューサー:奥山和由
| 店舗・施設名 | 祇園呉服座 |
|---|---|
| 住所 | 京都市東山区祇園町北側323 祇園会館 |
| 電話番号 | 075-541-0529 |
| 営業時間 | 昼の部13:00開演(12:30開場/第二部入場14:30)、夜の部18:00開演(開場17:30/第二部入場19:30) |
| 交通 | 京阪祇園四条駅より徒歩10分、阪急京都河原町駅より徒歩15分、京都市営地下鉄東西線東山駅より徒歩10分、京都市バス祇園下車すぐ |
| 料金 | 入場料 大人3300円、小人2500円、舞踊ショーのみ2500円、京都市民料金2500円 ※指定席+300円・桟敷席+500円 |
| ホームページ | https://gofukuza.com/gion/ |
Writer椿屋 山田涼子
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Writer椿屋 山田涼子
京都拠点の映画ライター・グルメライター。「映画はひとり、劇場で」をモットーに、2025年の映画鑑賞本数は280本。加えて、原作となる漫画や小説、テレビドラマや深夜アニメまでをも網羅する。
Instagram:
tsubakiya_cinema
X:@tsubakiyagekijo
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