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「海外製の大量生産品でもなく、いわゆるチャリティ商品でもない。
日常の中で“ちゃんと使われるもの”として届けたいと思って始めました」
そう語ってくれたのは、アンドウ株式会社 クリエイティブデザイン室の山本麻矢さん。
京都を拠点とする和装小物メーカー・アンドウ株式会社と、
障がいのある方が描いた文字や絵をフォントやパターンとして社会に届ける「京都ふぉんと」。
一見すると異なるフィールドで活動する両者が出会い、この春、新たなコラボレーション商品が誕生しました。
今回は、京都ふぉんと初の商品化として参加したアンドウ株式会社を訪問。
コラボレーションの背景や開発の裏側、そしてこの先に思い描く未来について、お話を伺いました。
京都ふぉんとの仕組み
今回のコラボレーションのきっかけは、アンドウ株式会社が京都ふぉんとの取り組みを知ったことでした。
障がいをもつ方が描いた文字や絵が、パターンやフォントとして社会に出ていく。
その仕組みに触れたとき、社内から自然と「ぜひ一緒に取り組みたい」という声が上がったといいます。
山本さん
「『絵を描くのが好き』『何かを表現するのが好き』という気持ちが、ちゃんと仕事につながる。
京都ふぉんとは、まさにそれが実現できるプロジェクトだと思いました」
山本さん自身、過去に教育現場で障がいがある方との商品開発の授業に関わった経験から、
“本当はやりたいことがあっても、選択肢が限られてしまう現実” に、ずっと疑問を感じてきたそうです。
だからこそ、表現する楽しさが世の中に届き、形になるこの取り組みに、強く心を動かされたといいます。
アンドウ株式会社が大切にしているのは、 “一時的な支援” で終わらせないこと。
売上が循環し、仕事として継続していく仕組みをつくることにこそ意味があると考えています。
実は同社では、海外工場を拠点とした社会貢献活動にも以前から取り組んできました。
商品が売れることで、現地の暮らしや教育に還元される——
そんな「ビジネスの中に組み込まれた支援」を続けてきたからこそ、今回も“商品化”という方法が選ばれました。
「いいことをしているだけでは続かない。ちゃんと売れて、ちゃんと暮らしにつながる。
それがあってこそなんだと思っています」
そう語る山本さんの言葉には、ものづくりへの誠実な姿勢がにじみます。
絞りバッグ(左から:DAY DREAM / ハートと星々のパレード / 茶摘み)
風呂敷(左から:レッド 赤の水族館 / グリーン 静寂の竹格子 / パープル KIMONO)
風呂敷はアレンジ次第でバッグにも変身!
今回の商品開発でとくに難しかったのは、アーティストの原画の魅力を、どう商品に落とし込むかという点でした。
原画ののびのびとした線、自由な色づかい。
それをパターン化し、さらに風呂敷やバッグといった形に仕上げていく——。
色の出方ひとつ、線の太さひとつにも細かな調整が必要だったといいます。
山本さん
「特に色の再現は本当に難しくて。
何度も試して、少しずつ『これだ!』というところに近づけていきました」
手描きの線を版に起こし、染めを重ねていく工程は、まさに職人技の積み重ね。
デザインして終わりではない、ものづくりの現場ならではの試行錯誤が、ひとつひとつの商品に込められています。
実際にアンドウ株式会社を訪れた、
アーティスト所属施設「アトリエやっほう!!」の中島さんは、
完成した商品を前にしたときの様子をこう振り返ります。
中島さん
「吉田さん、日吉さん、小寺さんの3名とともに伺いました。
商品化されたお二人から直接感想を伺うことはできませんでしたが、
完成した商品を、とても生き生きとした表情で見つめておられた姿が印象的でした。
素敵な笑顔も見られて、きっと内心ではとても喜んでおられたのではないかと感じています」
「アトリエやっほう!!」としても、和装小物メーカーとのコラボレーションは、今回が初めての試み。
京都をテーマにしたイラストと伝統的なものづくりが重なり合い、想像以上に魅力的な商品に仕上がっていたといいます。
山本さん
「アーティストや施設の皆さんがお店に来てくださった際、とても喜んでくださって、本当に嬉しかったです。
海外のお客さんがこの商品を購入してくださることも多いんですが、その話をすると
『世界のどこかで、自分の作品を持ち歩いてくれるのが嬉しい』とおっしゃって。
本当にそうだなあと思いましたし、このプロジェクトを実施できて良かったと感じました
柄の好みは本当に人それぞれで、みなさん“自分の好きな一柄”を選んでくださっている印象です」
描いた人の表現が、国や文化を越えて、日常の中で使われていく。
その実感こそが、このプロジェクトの価値を何より雄弁に物語っていました。
今回のコラボ商品は、ショールームでの展示・販売に加え、ANDO公式ECサイトでも販売されています。
店舗に足を運ぶことが難しい人とも、オンラインを通じて出会える機会が広がっていきます。
ANDO Shibori Concept Shop
https://www.ando-shibori.com/
山本さん
「お客さんだけでなく、作家さんのファンが増えていく。
そんなきっかけになったなら、これ以上嬉しいことはないですね」
美術館や観光施設など、新しい場所へと広がっていく可能性も視野に入れながら、この取り組みは、少しずつ次のステージへ進もうとしています。
最後に、この記事を読む人へ向けて、山本さんはこう語ってくれました。
「私たちの商品は、日常の中で使っていただくものです。
そこに、アーティストさんが絵を描いたときの楽しさや喜びが重なって、
使う方の毎日が、少しでも幸せなものになってくれたら嬉しいです」
描く人の喜び、つくる人の想い、使う人の楽しさ。
それぞれの気持ちが、静かにつながっていく場所として。
アンドウ株式会社と京都ふぉんとのコラボレーションは、今日も店頭で新しい出会いを生み出しています。






| 店舗・施設名 | ANDO 京都本店 |
|---|---|
| 住所 | 〒600-8066 京都府京都市下京区柳馬場通五条上る柏屋町327 |
| 電話番号 | 075-341-0361 |
| 営業時間 | ・9時30分~17時00分 ・日曜日 / 祝日 定休 ・夏季 / 冬季休業あり ※詳しくはお問い合わせください |
| 交通 | 【京都市営地下鉄】烏丸線 五条駅 1番出口より徒歩約7分 【阪急電車】京都線 烏丸駅 15番出口より徒歩約10分 【京阪電車】京阪本線 清水五条駅 3番出口より徒歩約8分 |
| ホームページ | https://ando-shibori.com |
Writerデジスタイル京都スタッフ
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Writerデジスタイル京都スタッフ
タカラサプライコミュニケーションズではたらく京都大好きメンバー。 定番から穴場まで、幅広いKYOTOの情報をお届けします!
X:@digistylekyoto
Facebook:https://www.facebook.com/digistylekyoto/
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