こんにちは、かつてフランスに恋して隔月でパリを訪れていた過去がある、フランスの事情通、デジスタイル京都スタッフのタムラです。
今でも、トリコロールを目にすると敏感に反応してしまい、
フランスに関する美術や映画、物産展関連のイベントは、必ず足を運んじゃいます。
そして今回は、ルーヴルが誇る珠玉の「愛」の絵画が一堂に集められた
「ルーヴル美術館展 愛を描く」
東京の展示を終え、京都市左京区は岡崎公園の隣にある京都市京セラ美術館へ来るのを心待ちにしておりました。
もちろん初日にお邪魔してきました!
実は、私フランス美術が好きと言いながら、16~19世紀半ばにかけてのロココ時代の西洋美術や宗教画は、歴史や宗教の勉強をしないと理解できない!
という難しいイメージあって苦手なんですよね。。。
ヨーロッパからはるか離れた極東の国、しかも島国に住む我ら日本人にとって、西洋の文化や風俗、そして物の考え方や人生において譲れない生きていく上での人生訓など….
様々な事が「なんで?」ってくらいに異なります。
なぜこんなにも違うのかな?って疑問に思い悩んだ時に自分なりにひらめいたのです。。。
歩んできた歴史や宗教観が違うからだ!と。
少々前置きが長くなってしまいましたが、自分の知らない遠い国の歴史や文化を知ることで、その国の人種を理解できるようになるのって、多様性を重視する昨今の風潮にもマッチしていませんか?
そんな視点で、アートを楽しく鑑賞してみる、というのはいかがでしょうか?
さて、本題の展示のお話にまいりましょう!
ルーヴル美術館の作品は「モナリザ」とかメジャーどころしか知らないのよね~という方でも、今回のタイトルにある「愛」というテーマから、身近なものとして興味を感じられた方も多いのではないでしょうか?
まず、展示会場を入って出迎えてくれるのは、「ルーヴル美術館展 愛を描く」のメインイメージでもあるロココを代表する画家フランソワ・ブーシェの『アモルの標的』。
1758年に描かれたこの絵画は「神々の愛」をテーマにしたもので、恋人たちの愛の誕生が描かれています。
大きい絵なので時間をかけて隅々まで見ると色々な発見があります。
天使の中にはハートの的に矢を射ることができずに、ふてくされた顔をした者、さっさとあきらめて片付けている者…聖人なのに、なんだか俗っぽい行動に親近感がわきますね~
この時代はそれまでの、神話を伝えるのが目的の真面目な絵画から、楽しんで神話を知ろうよ~というノリの、庶民の共感を得る目的の絵画に移行したということから、当時の庶民が何を求めていたのかを知ることもできそうですね。
因みに、この『アモルの標的』が描かれた頃の日本は江戸時代の中期で、伊藤若冲が花鳥画を描いていた時代なのです。この頃の日本人の興味関心事は「愛」ではなく、自然の詫び寂びに心ときめいていたのですよ!
当時のフランスと日本では、庶民の価値観が違い過ぎて面白い!
も~、最初の作品から両国の違いを見せつけられてしまいましたね。
さらに進んでゆくと様々な「愛」がテーマ毎に展示されています。
なんといっても、今回の展示の見どころは「人間のもとに ― 誘惑の時代」と題された ジャン=オノレ・フラゴナールの『かんぬき』ではないでしょうか…
はい、ここで中学生の男子みたいな反応をしたあなた!
これこそが、当時のフランス人が求めていた心境であり、アートなのですよ。
この作品が絵画が描かれた1777年頃といえば、マリーアントワネットが処刑された事で有名なフランス革命がはじまる約10年前。
少なからずこの絵画を求めるに至った民衆たちには、新しい欲求を求め、より自由に生きたいといういう民衆の気持ちがあったのではないでしょうか?
なんて勝手に想像したりして見てしまいます。
この絵画は見る人によって様々な解釈がてきるのではないかな?
という意味でも非常に興味深いです。
この展示会「ルーヴル美術館展 愛を描く」で皆さんの知らなかった新しい「愛」を見つけてください。
主催:ルーヴル美術館、読売テレビ、読売新聞社、キョードー、京都市
ルーヴル美術館、読売テレビ、読売新聞社、キョードー、京都市
後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本