京都・二条富小路にある京町家カフェ「まつは」を営む西村めぐみさん、由香さん姉妹。「食材の組み合わせが斬新! そしておいしい!!」と評判の料理を提供する二人が、二十四節気に合わせて考えてくれたおつまみを紹介します。なお、メイン食材は野菜。京都の京北町の農家さんから毎回、この季節の〝推し野菜〟のお題をもらう趣向です。
第1回は、「清明(せいめい)」(2021年は4月4日~19日)にぴったりな一品をどうぞ。
パンにはさんで焼くと火の通り具合が絶妙に!春ほうれん草ならではのみずみずしさを堪能
炒めて良し、ゆでて良し、さまざまに楽しめるほうれん草。でも、この季節のほうれん草に特有の、みずみずしさを活かしたいと「まつは」のお二人が思いついたのが〝ホットサンド〟でした。「生のほうれん草のおいしさを、パンに閉じ込めて逃さず味わうイメージです」とのこと。春ほうれん草に火が通りすぎず、やわらかさ・甘みが引き立ちます。味付けは、はちみつと塩、オリーブオイルのみでシンプルに。
合わせるのは、「Hassaku White(はっさくホワイト)」というビール。京都の「ウッドミルブルワリー」の商品です。
「ほどよい酸味があってフルーティーで爽やか、かつ味わい深いビールなんです。八朔(はっさく)は今が旬ですし、この弾ける感じと春ほうれん草の組み合わせで元気が出そうと選びました」(めぐみさん)
「春ほうれん草のはちみつホットサンド」の作り方
〈材料(作りやすい分量)〉
食パン(薄切り)…2枚 はちみつ…適量 ほうれん草…1束 塩…ふたつまみ オリーブオイル…大さじ1
〈作り方〉
(1)食パンに、はちみつを塗っておく
(2)ほうれん草は洗って、水分をふき取る。食パンの幅におさまるサイズに手でちぎる
(3)ボウルに(2)を入れ、塩とオリーブオイルを加えて軽くあえる
(4) (1)で(2)をはさむ(はちみつを塗った面が内側になるように)
(5)ホットサンドメーカーでこんがりと焼く
(6)断面がきれいに出る方向にカットし、盛り付ける
※オリーブオイルが多すぎるとベタつくので、気をつけて
※ほうれん草をあえるとき、好みでブラックペッパーやマスタードを加えても。ガーリック風味のオリーブオイルなどを使ってもおいしい
食パンは穀物の味わいのしっかりとした生地のものが、シンプルな具とマッチしておすすめ。今回は「ザ・ブレッド」というベーカリーの「シリアルブレッド」を使用しています
この日の取材、春休みだったお子さんも一緒に京都御苑へ。「連載初回ですし、京都で作られている点もいいなと、『ウッドミルブルワリー』さんのビールを選びました。このホットサンドは冷やした白ワインともよく合いますよ」とめぐみさん(向かって左)
現在、「まつは」は長期のお休みを取り、通常営業の再開(4月半ばを予定)に向けて準備中。予約などについてはメールで問い合わせを
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この季節の〝推し野菜〟メモ
春ほうれん草
ひとくちにほうれん草といっても、西洋種・東洋種に大きく分かれます。また品種の差だけではなく、実は季節によって味が全然違います。一年中出回る野菜ですが、食べ比べてみるのも面白いですよ。この時期のものは、さわやかな香りとみずみずしさが特徴。そして春のほうれん草は、大きいものがおいしい! 一般的には25cm程度で流通しますが、直売所などで40cmくらいのものを見つけたら、おすすめです。
解説・吉田修也さん(okulu株式会社/京農園よしだ )
―次回は「穀雨(こくう)」のおつまみレシピをお届けします