- 2023/06/04NEW
- 【京都市伏見区】自分で植えたお米でお酒ができる!京都酒林会さんの酒米「祝」田植え体験に参加してきました!
こんにちは。マツモトです。
今日は4月27日から始まる、細見美術館の「若冲と祈りの美」展の内覧会にお邪魔してきました。
若冲は、今とても人気の江戸時代の絵師。細見美術館の若冲コレクションは、細見家の2代目古香庵が早くからその魅力に注目し、蒐集してきた作品群です。
若冲の絵は動植物含め生き物を題材にしたものが多いのですが、鶏を描いたものも有名ですよね。
細見美術館には、若冲の雄鶏図の最初期の作品といわれる「雪中雄鶏図」があるんです。
通常、日本画は絹に描かれますが、細見美術館の雄鶏図は紙に描かれています。
ご案内をしてくださった細見美術館の岡野さんによると、
「(紙に描いた)この絵で、若冲は“行ける!”と自信を得て、それで絹本にも雄鶏の絵を描くようになったのかも」
とのこと。
いわば試し描きなのがこの雄鶏図なのかな。素材の違いだけで、いろんなことが推察できるんですね。
さていよいよ令和の時代の幕開けが近づいてきました! 新天皇のご即位と重なる時期ということもあり、若冲のおめでたい作品も紹介されています。
描かれているのは市井の人々の日々の楽しみなど。
■左は「踏歌図」。右は「萬歳図」。どちらもホンワカとした温かみのある線に親しみを感じます。
若冲は長らく色々なことがわからない絵師でしたが、こうした吉祥画から、さまざまな文化人と交流があったという側面が見られるそうです。
「若冲さん、ちょっとこんなん描いて。ワシ、讃、書くし」
なんて気心の知れたお仲間と、そんなやり取りがあったのかもしれません。
今回の展覧会には、若冲のお弟子さんの作品も展示されています。
師匠と同じく鶏を描いた屏風は、若演というお弟子さんのもの。
展示室は異なりますが若冲の鶏も展示されていますので、二つを見比べるのも面白いですよ。
■師、若冲の鶏
■弟子・若演の鶏。似ているけれどちょっと違う。
第3展示室には初代古香庵が蒐集した仏教美術が紹介されています。
「羽黒山御手洗池出土銅鏡」は、今回初めてコレクションの全40枚が展示されています。
鏡の背面(鏡でない方の面)には、なにか仏教的なモチーフというより身近な草花や鳥、蝶や虫などが描かれています。
この鏡は平安時代のものだそうですが、こうした自然への素朴な関心が、時代を下って江戸時代の若冲へ…。
日本人の美意識って、そうやってつながっていくんですね。
そのほかにも、昨年奈良国立博物館で開催された「糸のみほとけ」展でも注目された「刺繍大日如来像」なども。この大日如来の髪や足元の裾(?)など、一部に本物の人の毛髪が使われているそうです。
どうでしょう。髪の毛とわかりますか?
■どうやってこんな緻密な刺繍ができたのか、気が遠くなりそうです。
展覧会鑑賞の後は、ぜひ細見美術館アートキューブにもどうぞ。
今回はいつも以上にたくさんの“若冲”アイテムが揃っているそうです。
また、期間中は館内のお茶室で野菜を使ったお菓子がいただけます。
数々の野菜を作品のモチーフにした若冲に因んだお菓子だそうです
(薄茶付き1100円<税込> ※販売は土日限定)。
目の保養のあとは、お口の保養もお忘れなく!