おでかけ

2018.09.06

 

ワダエミさんのデザインについて

 

装束デザイン奉納:ワダ エミ

黒澤明監督「乱」で第58回アカデミー賞(最優秀衣装デザイン賞)受賞、

北京にアトリエを持ち国際的に活躍されている

京都出身のデザイナー・ワダ エミさんが青龍と装束をデザイン。

 

 

田中会長:清水寺へよくお参りされており交流のあった装束デザインのワダエミさんにお話ししたところ「清水に似合う龍がいいな」と快く承諾してくださり何もないところからスタートし、青龍を含む装束のデザインを奉納していただきました。

 

ワダ先生は国際的なお仕事をされているため最初は「この染めなら…この造りは…」と考えておられましたが「地元で直せないのはダメ。京都のもので」とお話がまとまりました。

 

京都で染めや刺繍、彫金など伝統工芸の職人をオーディションが始まりご奉納であるにもかかわらず、大勢の人が集まりました。

 

全長約18mの青龍は麻布と和紙で作られており、8000枚の鱗には江戸時代の経文が貼られています。

 

長崎の龍の腹は紅白ですが、ワダ先生は青龍の色のイメージがあり、全く違う色で染めることになったのですがこれがまた繊維の特性上、難しい。

そういうことの連続でした。

 

四天王の面(兜)はそれぞれ作りが違い、竹を使っていますが「こんなのはできない」と職人に泣かれたこともありました。

 

 

装束や青龍はこの先ずっと長く使えるようにと撥水加工のパールトーンもしているので雨でも大丈夫。

 

数年前に装束を新調した際、加工する前に雨が降り

パールトーンをしていないとこんなにずぶぬれになるのかと身をもって経験したこともあります。

 

清水寺愛宕念仏寺鎌倉長谷寺など全国60か所にある西村公朝先生作「ふれ愛観音

 

西村公朝先生の監修について

 

監修:西村公朝

繊細な美しさの弥勒菩薩の指や、三十三間堂の千手観音を20年かけ600/1000体も修復した仏師で僧侶の西村公朝先生が清水寺の北法相宗(きたほっそうしゅう)を元に監修。

 

 

田中会長:西村公朝先生は長年、清水寺の信徒総代で清水寺の知恵袋と言われる大変ご縁の深い方です。

 

そのため青龍会も西村先生に監修をしていただきました。

 

夜叉神の像はマニュアルで目にピントを合わせて撮影

 

最初の頃、龍は10人で操る仕様ですがどう数えても8人しかいない。

どうしようかと思っていたところ「龍を出すらしいな。何をすればいい?」と集まっていきました。

 

そこで西村公朝先生に青龍以外の役割をどうしたらいいか相談しました。

 

「女性も参加したいのですが」とお話しすると「奥之院にいる夜叉神は夜な夜な京洛を飛来し悪鬼悪霊が都にいないか偵察をしてるという縁切りの神様。

青龍と夜叉神はいつも一緒。夜叉神は女性です。」とおっしゃり、「四天王は四方の守り神。僧籍のある方に。」というアドバイスをいただいたときは相国寺総長や滋賀のお坊さんにお願いしました。

 

太鼓や笛などの先導が欲しいなと考え、最終的には法螺貝に決めたところ「転法衆(てんぽうしゅう)というのがあって…」とそれぞれ意味をつけてくださいました。

 

そうして今は約50人が行道を行っています。

 

 

素人の集団ですが礼を尽くして行道を行えば大丈夫。

西村先生の教えは体で覚えています。

そして門前の子はどうすればよいかわかっています。

 

偶然、清水寺に来て青龍会を見る方も大勢います。

人をかき分け睥睨(へいげい/にらみつける)するのではなく待つ。

先導の法螺貝の音が聴こえ、振り返って行道を見たら必ず道を開けてくれます。

 

大雨が降ったのは一番最初のときだけ。

青龍ですから雨を呼んだのでしょうと当時お坊さんたちもおっしゃっていました。

 

西村公朝先生とワダエミさんの組み合わせに実際にはお二人とも超人なので、仏教に関する内容は西村先生、装束に関することはワダさんがお話しを進めてくれました。

 

 

バリアングルのモニターではない場合、腕をあげてノーファインダーでも龍の頭にピントがなるべく行くように調整しながら、何枚か撮影

 

「寺、坂、我が家」

 

田中会長:京都の旅行者と清水寺の参拝者の数は比例しており、清水寺のリピーターは6割です。

 

「おおきに」だけではなく、「まいど」という気持ちで商売をしています。

 

清水寺のある位置は昔は尾根。

いつ清水寺に着くかなと先が見えないため、両側のお店に目が行きます。

 

上っていくのは「参拝者」、下ってくるのは「観光客」、参拝が終わった観光客は「次は伏見稲荷、南禅寺、金閣寺、東福寺…どこに行こうかな」と考えています。

 

上っていく参拝者には声はかけない。

参拝が終わったあとに気持ちよく寄って行っていただけるよう心がけています。

 

工事中でも参拝客は途絶えない大変な人気ぶり

 

 

清水寺との強い結びつきについて

 

田中会長:なにごとも清水寺があってこそ。

一番怖いのは火事です。

 

千年の間に10回、焼けています。

 

太く大きな木で作ってあるため、そんなにすぐには焼けませんので門前の子はみんなホースを持って走るよう消防訓練をしています。

 

お坊さんだけでは夜間拝観は出来ないため、お坊さんがする仏教以外のことはなんでも門前会がスタッフとして行います。

 

清水寺門前会20周年記念には400年先まで使えると言われている梵鐘を奉納、30周年記念には「祥雲青龍」像を奉納をしました。

 

 

歩いて移動して行く行列はどこを通って背景をどうするか構図を考えておき、

昼間は1/125s ISO100〜400 から調整。

主役の目(ここでは青龍)にピントを合わせます。

 

 

清水寺 主要年間行事

1/1~7 修正会

2/15 涅槃会

3/9~18、3/30~4/8、8/14~16、11/17~12/2 夜間特別拝観

3/14、3/15、4/3(清水の日)、9/14、9/15 青龍会

8/9~16 千日詣り

4/28~5/6、11/17~12/2 成就院庭園特別公開

12/1~3 仏名会

 

清水寺 http://www.kiyomizudera.or.jp/event/seiryu_e.php

清水寺門前会 http://www.monzenkai.com/seiryue.html

 

 

 

毎年8月のお盆の時期に行われる千日詣りは一度で千回お参りしたのと同じ功徳があるという日。

 

更に夜間拝観も行われ、清水寺と門前会は大変お忙しい時期に取材させていただきました。

 

昔は「門も塀もない寺。凧上げをしたりボールで遊んでいた」と笑っておっしゃっていましたが、今の混雑ぶりをみると想像できないですね。

 

いつも清水寺と一心同体、深い愛情を感じるお話しに時折ぐっとくるものがありました。

 

門前会 会長の田中様を始め、専務理事の木村様、ご協力ありがとうございました。

 

清水寺へのお参りがまた楽しみです…!

Information
店舗・施設名 清水寺
住所 京都市東山区清水1-294
電話番号 清水寺 075-551-1234
営業時間 3/14、3/15、4/3(清水の日)、9/14、9/15 14:00~

14:00 奥の院 地主神社 音羽の滝 経堂 三重塔 西門

14:30 石段下 門前町 仁王門 轟門 本堂
交通 ■京阪電車
 「清水五条駅」下車、徒歩25分
 「祇園四条駅」下車 、市バス207系統「清水道」下車、徒歩10分
 「七条駅」下車 、市バス206系統「五条坂」下車、徒歩10分
■阪急電鉄
 「河原町駅」より市バス207系統「清水道」下車、徒歩10分
■京都駅より
 市バス 206・100系統「五条坂」下車、徒歩10分
 京都バス(土・休日のみ運行)18番バス「東山五条」下車徒歩10分
■四条河原町より
 市バス207系統「清水道」下車、徒歩10分
 京阪バス85・85A番「清水道」下車、徒歩10分、または88・88C番「五条坂」下車、徒歩10分
駐車場 あり 有料
ホームページ http://www.kiyomizudera.or.jp/
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