お皿の上に、まるで絵が描かれているようだな、と思うのが「タイム堂」のサンドイッチ。
こちらはモーニングメニューの「ベーコンのグラハムサンド」(910円)。グラハムサンド、サラダ、ゆで卵、ドリンクがセットになっています。
「タイム堂」は、京都御苑を臨む位置にある築約100年の京町家を改装したモダンなカフェ。「オープンして1年半ほどです」と店長の上村(かみむら)龍さん。
〝京で採れた「食」を味わう〟をコンセプトとし、こだわりのほうじ茶ラテのほか、ドリップコーヒー、自家製レモネード、豊富なアルコールメニューなども楽しめるお店です。
今回は特別にキッチンに潜入、スタッフの奥村芽以さんが手際よくサンドイッチを作られる様子を見学することができました。
使われているパンは、ホテルやレストランにも商品を納めるメーカー「スタイルブレッド」の「ミッドグラハム」というハースブレッドです。
「いろいろなパンを試すなかベーコンと相性が良く、おいしかったので採用しました。しっとりとした口当たりのグラハム粉のパンです」(上村さん)
パンに切り目を入れ、マスタードバターとトマトマヨネーズを塗ります。ちなみにトマトマヨネーズはトマトピューレとマヨネーズをミックスしたオリジナルのものです。
厚めにカットした、無塩せき(※原料肉を発色剤不使用で塩漬けしたものという意味)のベーコンをストウブのグリルパンでこんがりと焼き…
サニーレタスやフリルレタス、スライスした玉ねぎなどとともにパンではさみ…
半分に切って、お皿に盛り付けたら、完成! セットのドリンクはコーヒー(ホット・アイス)、無添加アップルジュース、オレンジジュース、スパークリングウォーターから選べます。
「具がたっぷりの今のトレンドとは違うんですが、(このサンドイッチは)これ以上はさんだらダメかなという気がします」とは、奥村さん。
―― 確かに。
ひとくちほおばると、歯切れのよいパンの食感とベーコンのうまみ、野菜のさわやかさが黄金比で迫ってくるような、絶妙なバランスです。
ここで、店長の上村さんにいつものように、「サンドイッチづくりで大切なことは?」と質問。
でも「うーん。なんとなく食べたときの、パンや具の相性の良さなどは大事にしていますが…」と、照れ(?)もあってか、コツやこだわりについては、あまり多くを語ってもらえないなか、筆者はハッと気づいたのです。
修行探訪21軒目から得た学び。
大切なのは、「センスよく、美味しいものを組み合わせる」こと。
見た目が美味しいものは、味わいでも自然に素晴らしいハーモニーを奏でるのだな、と。おぉ、これぞ本企画のタイトル〝修行〟にふさわしい学び=悟り、なのかもしれませんぞ(大げさ? 笑)。
上村さんも奥村さんも、時間が許せばさまざまなお店のサンドイッチやパンを食べてみておられるそう。そうしたアンテナで得た知識とセンスが、存分にお皿の上に表現されているのだと思います。
>オープンサンドの美味しさに感動