今回は、京都の呉服関係の問屋さんなどが建ち並ぶ室町通に程近い路地を入ったところに佇む「太郎屋」さんをご紹介します!
こちらは、京都の家庭で昔から親しまれてきたおそうざいと美味しいお酒が楽しめるお店。
最近ではすっかりブランド化されている“京のおばんざい”ですが、「太郎屋」さんは、流行のお店とは違った堅実で飾らないところがなんとも居心地いいんです。
お店は女将さんと娘さんの前川瑠衣子さんが切り盛りされています。
こちらが瑠衣子さん。
「父が、料理上手の母が作るおそうざいが好きで、昔ながらの懐かしい味が楽しめて、自分と同じサラリーマンの方の憩いの場になるようなお店を出したい」と始められたのだとか。
お店は25周年を迎え、開店以来通い続ける常連さんもいらっしゃるほど、たくさんの方にとってほっこりと和める場所になっています。
確かに、メニューには、「おばんざい」ではなく「おそうざい」の文字が。
「特別京都をウリにしているわけではなくて、母がお姑さんから教わった普通のおそうざいを中心に、“何事も当たり前のことをきちんと丁寧にすること”を大切にしています」とのこと。
今や貴重なお店かもしれないですね。ということで、さっそくこちら。
■鰊と茄子の炊いたん 520円
■山形「住吉」600円
まさに京都のおそうざいの定番ですが、最近家庭で作る人は減っているかも。
鰊がやわらかく炊いてあり、その旨みを吸った茄子も絶品!
お酒は、特別純米酒 極辛口銀「住吉」です。上品でありながら、味わい豊か。相性抜群です。
次はこちら。
■小芋さんの炊いたん 400円
■京都 富翁 810円
こちらもなんだか懐かしさを覚える「小芋さん」。きれいな色ですねぇ。
そして、荷崩れしていないきれいな姿にうっとりです。
出汁の味わいを含んでやさしいお味。京都伏見のお酒、「富翁」を熱燗でいただきました。
■青唐とおじゃこの炒め煮 400円
■京都「招徳」750円
そして、こちらも青唐の苦みとおじゃこの風味を純米酒がしっかりと受け止めてくれます!
他にも、「ポテトサラダ500円」や「太郎屋風ポテトコロッケ650円」など洋風おそうざいメニューも人気なんです。和風一辺倒じゃないところもうれしいですよね。
はい、こんなふうにカウンターに並んでいます!
あれこれ見ながら、聞きながら注文するのも楽しいですね。
一人でも居心地よく飲めるのが嬉しいです。
期間限定で貴重なお酒も登場します。また、「本日の一品」メニューも結構な品数があり(この日は19品)、旬のお造りや京野菜のおそうざいなどがいただけます。
瑠衣子さんによると、「3月は筍のお料理でいっぱいになりますよ」とのこと!
カウンター、テーブル席のほかに、座敷もあります。
もともと白生地やさんだった建物で、座敷は当時のまま。奥には坪庭もあり、京町家の風情が味わえます。
グループの場合などは、2階のお座敷もおすすめ。
ちなみに「太郎屋」さんの店名は、お父さんのお名前が由来だそうです。
でも、お店は開店以来、女将さんが切り盛りされてきて、娘さんも手伝い始めて20年。
25周年を迎えて、地元の方からも観光の方からも人気で予約が取れないことも多いぐらいということで、太郎さん、幸せ者ですね♪