グルメ・お土産

2026.04.20

「漬物って、実はものすごくSDGsな食べ物なんです」。

今回そう教えてくれたのは、京つけもの もり森知史取締役でした。

三条通り・嵐電沿いにある本社三条店

 

確かに言われてみれば——たくさん採れた野菜を捨てることなく漬けることで長く楽しみ続けることができる形にする。

昔から当たり前に続いてきた知恵が、「食品ロス削減」そのもの。確かにこれこそSDGsなのかも!?といろいろなお話を伺いました。

 

「漬物は、日本が誇るSDGs」——でも残さは出る。だから“捨てない”仕組みも回す

みんな大好きお漬物。これってとってもSDGsな食品なんです

 

森さんがまず話してくれたのは、漬物が本質的に持つサステナブルな価値でした。

とはいえ、漬物づくりの工程では野菜の端材などが出てしまいます。

 

もりでは、消費期限が過ぎた食品廃棄物を肥料や飼料にリサイクルする取り組みを継続。さらに、漬物づくりで出る野菜の端材を京都市動物園へ提供する活動も行っています。

「残るものは残る。だから、その先の行き先まで考える」。ここが頼もしいところです。

動物たちにとってもうれしい取り組みです

 

観光のお土産だけじゃない。「地元の毎日の食卓」に愛されるための発想

京つけものといえば、観光客のお土産の定番なのですが、森さんが強調したのは、「地元・京都の方が日々食べているもの」という原点でした。

地元の人に長く愛されるためには、もちろん「おいしい」ことが大前提。そしてそれに加えて、“毎日の食卓”だからこそ気になるのが健康。この感覚、すごく分かります。毎日食べるものほど、やっぱり体にやさしい方がいい。

そこで生まれたのが、もりの「健康を届ける」商品開発への挑戦でした。

 

-難しいのは「減塩」と「おいしさ」の両立。だから“かるしお”に挑んだ

健康テーマで大きいのが「減塩」。でも、漬物って塩が大事でもあるんですよね。(そもそも今のお漬物ってそこまで塩分は濃くないとは感じていますが)

塩分を減らすと、野菜の旨みや歯ごたえ、発酵の進み方にまで影響が出るそうで、シンプルに塩の量を減らすだけで実現するものではないんです。

そんなハードルを越えるために開発したのが、国立循環器病研究センターの「かるしお(R)」認定を受けた漬物シリーズ。

https://www.kyoto-mori.com/shopbrand/ct88/

一般同等品と比較して食塩相当量は48%カットという「減塩 青しば」

 

同センターの制度は、「美味しさ」と「栄養バランス」を兼ね備えた商品に認定マークの表示を認める仕組みです。

販売後、自ら購入されることはもちろん、贈り物としての人気が続いているそうです。

“減塩ギフト”って、ただの機能性じゃなくて、贈る側のやさしさや思いやりが伝わるのが選ばれるポイントですもんね。もりさんの着眼点の面白さと鋭さが伝わってきました。

 

「家で作れる」教室が、むしろ売上につながる?——ぬか漬づくり教室の発想転換

取材でいちばん“おもしろい発想”だと感じたのが、ぬか漬づくり教室です。

https://kyoto-mori.co.jp/classroom

 

本店で実施されている「ぬか漬け教室」は若い方にも人気

 

正直、最初私は思いました。

「家でできる作り方を教えたら、お漬物を買われなくなるんじゃ・・・?」って。

 

でも、違いました。

教室は“売上を削る”どころか、漬物の入口を広げる仕組みになっていたんです。

しかも、もりの“種ぬか”を使ってぬか床を仕込むので、味が安定しやすく、いわば「つけもの屋の味」に近づく。出来たぬか漬はぬか床ごと持ち帰れる——この設計、興味を持った人にとってはかなりありがたい企画ですよね。

また、持ち帰ったぬか床に関して質問があればLINEで尋ねることが出来ます。回答は取締役である森さんも行っておられるそう。

 

森さんが語ったのは、ここから先の話。

「まずお家でできるサステナブルな取り組みとしてのぬか漬に興味を持ってもらい、触れてもらう。もちろん漬物はぬか漬だけじゃない。食卓に漬物が上がることが当たり前になれば、それ以外のものも買いに来てくれる」。

“ファンづくり”がちゃんとビジネスに接続しているこのビジネスのタネ、素敵ですよね。

 

さらに最近は、修学旅行のテーマとして「SDGs体験」を掲げるケースもあり、学生が自ら調べてぬか漬け体験を申し込むことが増えている、というお話も。

体験後にお土産購入にもつながり、思わぬ販路が広がった——これはまさに「社会課題×体験×売上」の好循環だと感じました。

 

“漬物=和食の脇役”を超える。レシピ公開が新しい客層を連れてくる

もりは、漬物を「味付き野菜」と捉え直し、レシピ提案にも力を入れています。

公式サイトにある「mori’sキッチン」では、漬物を使った多様なレシピが掲載され、カテゴリも幅広い。和食だけでなく、アレンジして楽しむ提案が並んでいます。

https://kyoto-mori.co.jp/kitchen

なんとお漬物を使ったピザもラインアップ!

 

これ、単に便利なコンテンツなだけじゃないと思うんです。

「漬物=白ご飯の添え物」みたいな固定イメージを崩して、日常の料理に入り込ませる。つまり、購買頻度を上げるための仕掛けでもあります。

 

森さんの言葉で印象的だったのは、「もりの強さは“京漬物業界の中では創業から時間が経っていない若さ”」。

老舗のような重厚なブランディングではなく、若い感覚でどんどんチャレンジしていきたい——そのスタンスが、幅広いレシピ提案にも表れているように感じました。

 

「サステナブルなもり」を“伝わる形”に。京都市SDGsパートナー制度と、認知の広げ方

もりは京都市の「京都SDGsパートナー制度」に登録されており、森さんの実感としても、制度に加入したことで今回のような取材機会も増え、メディア掲載をきっかけにブランドを知ってもらうことも増えたそうです。

店舗へ足を運んでもらえたり、体験のニーズに応えやすくなったり、連携のきっかけが増えたり——。そして「営業電話も増えたけど(笑)」というオチまで含めて、現場のリアルが伝わってきました。

そうした発信の姿勢は、京都市の制度に限りません。近畿経済産業局がカーボンニュートラル推進のために制作したトレーディングカード「省エネおじさんカード vol.2」にも、京都府の登場企業として「株式会社もり」が名を連ねています。

社長自らがトレーディングカードに!

 

“伝統を守る”だけでなく、“取り組みを伝わる形にする”。その意識が、少しずつ認知の輪を広げているのだと感じました。

 

「SDGsの答えは、ひとつじゃない。」——もりの答えは、“おいしい”を更新し続けること

漬物は、そもそもサステナブル。でも、そこで満足せず、

●「捨てない」仕組みを回す

●健康とおいしさを両立し、“研究”や“認定”で信頼を得る

●体験でファンを増やし、販路を広げる

●レシピで新しい食べ方を提案する

——この全部をつなげて、ちゃんと「続く商い」にしているのが、京つけもの もりのすごさでした。

 

もりが見せてくれたサステナビリティのカタチは、「伝統を守る」だけではなく、「おいしい」を更新し続けること。

それが結果として、地元の毎日の食卓にも、未来の食文化にも、ちゃんとつながっていく。そう感じた取材でした。

Information
店舗・施設名 京つけものもり 本社三条店
住所 京都市右京区西院金槌町15-7
電話番号 075-802-1515
ホームページ https://kyoto-mori.co.jp/

Writerデジスタイル京都スタッフ

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Writerデジスタイル京都スタッフ

タカラサプライコミュニケーションズではたらく京都大好きメンバー。 定番から穴場まで、幅広いKYOTOの情報をお届けします!
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