
こんにちは、京都市伏見区深草在住の地域ライター 山神義昭です。
6年前に引っ越してきた深草は交通至便でグルメや文化スポットも数多く興味が尽きません。そして地域に大学が二つもある(京都教育大学、龍谷大学)というのも魅力のひとつではないかと思います。
私事で恐縮ですが40数年の会社員生活を終えた今、大学での学びなおしに挑戦してみたいと考えました。
今回ご紹介するのは京都教育大学の公開講座。私が実際に受講した感想も交えてお届けします。
京都教育大学の令和7年度の公開講座の一覧はこちらをご覧ください。
https://www.kyokyo-u.ac.jp/event/koukaikouza/r7.html
この中で今回私が選んだのは「英語の世界を読み解く醍醐味 ― 英文学・英語学からの眺望」(全2回)。講座のチラシはこちらをご覧ください。
https://www.kyokyo-u.ac.jp/event/r7_04.pdf
英語については仕事で海外とやり取りする機会が多かったため、ある程度の読み書きはできるのですが、英文法などの基礎的な部分は自信がありませんでした。また読書が好きなので英語の小説も読んでみたいと思っていました。そのようなわけで自分の関心や目的にぴったりと一致している講座だと思いました。受講した感想は次のとおりです。
第1回(8月6日(水)9:30―11:30)
タイトル:英語学からの眺望 - 英文法の不思議発見
(講師:京都教育大学 英文学科 児玉 一宏 教授)
全体的に受験のための英文法から解放された、面白い話ばかりでした。例えば日頃から使い方が難しいと感じていた単語、canの過去形couldの使い方についての話はとても分かりやすく、長年のもやもやが解消されたように感じました。またmustとhave toの違いについての話も興味深いものでした。英文法の奥深さと面白さに触れ、もう一度勉強しなおしてみたくなる講義でした。
第2回(8月20日(水)9:30―11:30)
タイトル:英文学からの眺望 - 詩・短編小説を読む (チラシでは「英文法からの眺望」となっていますが英文学の誤りだと思います)
(講師:京都教育大学 英文学科 奥村 真紀 教授)
まず2020年に米国で起きた人種差別反対運動Black Lives Matterの解説があり、米国における特にアフリカ系アメリカ人に対する差別意識を考察。そのあとその差別意識を題材にした19世紀末の米国の短編小説『Désirée’s Baby』(Kate Chopin著)を先生が解説しながらみんなで読んでいくという流れでした。この短編小説のラストの衝撃の展開には思わず引き込まれました。A4用紙4ページほどの長さですのでご興味のある方はぜひ読んでみてください。こちらからアクセスできます。
今回、初めての公開講座受講でしたが、思っていた以上に面白かったです。久しぶりに大学のキャンパスや講義室の雰囲気も味わうことができました(夏休み中で学生の皆さんはいませんでしたが)。
後日、京都教育大学の学長補佐で広報を担当されている丹下 裕史 教授にあらためて同大学の公開講座についてお話を伺いました。
丹下先生の専門は美術で、小学校(図画工作)や、中学・高校の美術の先生を育成されています。先生ご自身も陶芸の公開講座を20年以上続けておられます。
― まず公開講座のねらいや目的について教えてください。
「大学の研究成果を還元することで社会に、特に地域コミュニティに貢献したいと考えています。また教育系の大学の使命として生涯学習、リカレント教育の場を提供しています。」
― 「教育」のあり方を追究する貴学の公開講座には大きな意義があると思います。次に先生が講師を務める陶芸の公開講座について教えてください。
「全5~6回の講座でテーマは毎年変えています。今年のテーマは『黒陶表現の可能性を探る』。毎年、作品を作るだけでなくテーマの文化・歴史的背景、素材、陶芸技法についても学べる内容にしています。」
― リベラルアーツの側面に触れられるのはまさに大学の公開講座ならではですね。最後に受講生について教えてください。
「今回の受講生は14名で年齢層は30代から80代と幅広いです。リピーターの方もおられます。講座回数をもっと増やしてほしいという要望もあります。また受講生ではありませんが、講座では毎回学生にアシスタントとして手伝ってもらっています。受講生と学生の交流はお互いに良い刺激になっていると思います。」
来年150周年を迎える京都教育大学。来年は丹下先生の公開講座を受講してみたいと思います。皆さんも興味のある公開講座があればぜひ受講してみてはいかがでしょうか。
黒陶技法で作られた陶箱オブジェ。表面の光沢がきれいです
店舗・施設名 | 国立大学法人 京都教育大学 |
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住所 | 京都市伏見区深草藤森町1 |
ホームページ | https://www.kyokyo-u.ac.jp/ |
Writer山神義昭
Writer山神義昭
趣味は散歩、読書、「孤独のマイク」(ひとりカラオケ)。深草に引っ越してきてから6年。居心地のよさに満足しつつもコロナに阻まれた時間を取り戻すべく面白そうなイベントには積極的に参加していきたい。そして深草のよさをもっと見つけて発信していけたらと考えています。