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2023.06.23

こんにちは!”地域力は防災力“のE-TOKO深草地域ライター・星です!

 

初夏深し隣は何をする人ぞ。(※松尾芭蕉の俳句、秋深し隣は何をする人ぞ。)

地域には達人や職人、博士のような素晴らしい方達が沢山います。器用に自転車を直してくれるおじちゃんや、お花の事ならなんでも知っているおばちゃんなど地域の関わりの中で見つけるすごい人。

今回はそんな墨染の’’まちの逸材’’をご紹介します。

石山寺 多宝塔

 

実はこのお寺「竹」で出来ているんです!!!!全部「竹」!!!

 

素晴らしい竹工を作られているのは 中川 治さん(75歳) 定年退職後の趣味として始められたという竹工。趣味の範囲を越えた作品の数々。

趣味で竹工を始めて約13年ほどの中で色々なこだわりや発見をしながら作り上げてきた作品と技術、自分の足で現地を訪ね自分の目で柱の数や扉の数、垂木の数の並びや瓦の反りの部分などひとつひとつ自分の中に落とし込み考え作品に向い、竹の扱いにくさや竹の性質を作りながら自ら学び仕上げていく。

趣味とはいえ、真摯に向き合うからこその作品だと思います。

約13年で丹精込めて作り上げた作品の数々

 

最初からお寺や神社を作り始めたわけではなく、1番最初に作り始めたのは下駄のキーホルダーや虫の竹工などを作りはじめたそうです。下駄の竹工も下駄の鼻緒には針金を入れて形状を記憶できるようになっていたりと、とても細部までこだわり繊細に作られていました。自分が納得いく仕上がりを求めていった先にある達成感がまた次の作品への熱量となっていくのかもしれませんね。

ミニチュアの下駄や箪笥などをみていて私はおままごと遊びが思い浮かびました。中川さんが作ったミニチュアの下駄や箪笥は着物を着たお人形さんのお家ごっこ遊びへと想像が膨らみなんだか微笑ましい気持ちになりました。

 

この可愛らしい竹工からなぜ、お寺や神社を製作するようになったか知りたいですよね?

そのきっかけも物語のような、竹取物語ではなく竹使物語のようなお話。

“桃山城の公園の中を歩いている時に、たまたま胸にバーンっと虫が当たって落ちたその虫を拾ってみたらヤマトタマムシで珍しいなと思いお家に持ち帰り、だんだん弱っていってしまい死んでしまった時に’玉虫厨子’が法隆寺にありそれに引っ掛けてそれを作ってそこにタマムシそを納めようと思った”のがお寺や神社を作るようになったきっかけだそう。

中川さんに当たってきた虫がタマムシじゃなければ、中川さんが玉虫厨子を連想しなければ、竹工細工をしていなければこの素晴らしい竹工の神社仏閣は誕生していなかったんだなぁと思うと感慨深いきっかけだなと思います。

そんなきっかけから時を経て、中川さんが今年の2月から製作を始めて完成させたのが’’桜寺で有名な「墨染寺」。

 

左:中川さんと 右:墨染寺ご住職日暮さん

 

中川さんが2月から製作を始めた竹工の墨染寺

 

墨染寺が忠実に再現されています。

中川さんによるとお寺の内部や周辺を見られた事で、より納得いくものが完成したそうです。

ご住職の日暮さんは、’’改めてお寺を建てていただいたような気持ちです’’と嬉しい気持ちを中川さんにお伝えされていました。

その言葉を聞いて中川さんも満面の笑みで ‘’素直に嬉しいです!’’とおっしゃっている姿を隣で見ていて心が温まりました。

 

そんな中川さんの製作された墨染寺は現在墨染寺に奉納され、墨染寺にて展示されています。

是非、中川さんが作られた墨染寺を見に新緑深まる墨染寺へ足を運んでみてはいかがでしょうか。

よろづの事に使ひけり〜竹使物語〜これにておしまい(^^)

 

 

Information
店舗・施設名 墨染寺
住所 京都市伏見区墨染町741
交通 京阪墨染駅下車徒歩約3分
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