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京北のとれたて野菜で12か月レシピ

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【第3回】6月の畑で、「まつは」のめぐみさんがつくるのは「さやいんげんの包み揚げ」!

2022/06/17

おいしいものを食べるのはもちろん、それができあがる過程も大好物な、ライター・市野亜由美です。

 

4月からスタートした連載「京北のとれたて野菜で12か月レシピ」では、京町家カフェ「まつは」の西村めぐみさんと一緒に、京都市の北部山間にある京北弓削(ゆげ)町の「京農園よしだ」へ。いま流行の〝キャンプ飯〟ならぬ、〝ファーム飯〟を、毎月、作って食べて、レシピもご紹介するという企画です。

 

新鮮なさやいんげんは みずみずしく、歯ごたえ抜群

「京農園よしだ」の吉田修也さん・祥子さん夫妻が手掛けるのは、京北町の休耕田を利用した畑で、なんと広さは東京ドームと同じくらい(約4.5ha)。年間約100種類の京野菜・ヨーロッパ野菜を生産しているといいます。

この日、吉田さんは鶏の餌やり中(こちらでは平飼い卵も販売。絶品です)だったため、まずは祥子さん(写真向かって左)に案内してもらい、めぐみさん(同・右)と共にビニールハウスへ向かいました。

そういえばここは4月に、春にらを収穫したところ。確かサラダケールが植わっていたエリアがさやいんげん畑にチェンジ! 毎月来ていると、こうした移り変わりをも知ることができるのが楽しいですね。

 

さやいんげんには、「つるあり種」と「つるなし種」があり、これは、つるの伸びない品種。1株から1~2㎏が穫れ、こちらには200株くらい植えられているそう

 

 

はさみでチョキチョキ、実の付け根をカットして収穫。「〝さやいんげんセラピー〟だな~」と呟くめぐみさん。これ、知らず知らずのうちに、無心になれちゃう作業なのでした。

 

 

マメ科植物なので、花はスイートピーに似た感じ。

 

 

葉っぱをかきわけ、さやいんげんの群れを発見。花は下のほうから順々に咲いていき、そのあとに実がなる仕組みなので、収穫も下のほうからしていきます。

 

いよいよ、さやいんげんの調理スタート!

 

収穫が一段落したところで、吉田さんも合流。いつものように、ミニ野菜講座のスタートです。

 

―さやいんげんの旬は、6月なのですか?

 

吉田さん:さやいんげんは、別名「三度豆」ともいうように、1年のうち春・夏・秋の3回、種を蒔いて収穫できるんです。種蒔きから2か月ほどで実がなり始め、ここで育てている「つるなし種」だと収穫期間は1か月間くらい(ちなみに「つるあり種」だと3か月間くらい)。料理の彩りとして需要もあるし、けっこう季節を問わず、一年中お店に出回る野菜ですね。ただ秋になると、黒豆や落花生といったおいしい豆が他にもあるので、うちでは、さやいんげんは、この時期に実がなる春蒔きがメインです。

 

― おいしいさやいんげんの見分け方は?

 

吉田さん:実が大きいもののほうが、加熱に時間はかかりますが、そのぶん甘みや香りが強くなるのでおすすめです。とはいえ、まだ若い、はしりのものの、柔らかなものもおいしいですね。ん~、状態に合わせて、料理法を考えるのが良いかもしれません。カレーやラタトゥユなど、がっつりと煮込む料理にもさやいんげんは合いますが、その場合は実が大きめのものを選ぶと、煮崩れてしまわず、おいしさを堪能してもらえます。

 

…と、お話しを聞いているうちに、めぐみさんのお料理の準備が整ってきたようです。

 

パリパリの春巻きの皮と、ほどよく蒸されて甘みが増したさやいんげんがマッチ

 

こちらのは、筋取りはしなくていいタイプのさやいんげんとのこと。いろんな品種があるのですね。

 

 

ヘタ取りをしていためぐみさんが、「この断面のみずみずしさ、すごいです!」と見せてくれたので、パチリ。さぁ、お料理スタート!

 

「さやいんげんの包み揚げ」の作り方

〈材料(一包み分)

さやいんげん5本 干しエビ2つまみ タプナート(黒オリーブのペースト)大さじ1 揚げ油適量

 

〈作り方〉

(1)深めの鍋にたっぷりの油を入れて温めておく

(2)春巻きの皮を1枚ひろげ、手で2つ折りにしたさやいんげんを中央にのせる。その上にタプナートと干し海老を乗せ、(洋封筒の折り方で)包む。皮の端に水(分量外)を塗り、くっつけてとめる

(3)もう1枚の春巻きの皮をひろげ、(2)をひっくり返して中央に置き、同じように包む

(4)揚げ油の温度をみて(木製の菜箸などを入れてみて、小さな泡が出てきたらOK)、静かに(3)を入れる

(5)キツネ色になるまで、じっくりと時間をかけて揚げる。最後に油から引き揚げるときに少しだけ火力を上げてカラリとさせ、取り出す

※ポイントは、なんといっても、じっくり揚げること! 時間をかけて揚げられない場合は、先にさやいんげんを蒸すとよい

 

タプナートは、アウトドアでの持ち運びに便利なチューブタイプをチョイス。

 

 

辛い物が好きな人は、ここでトウガラシの調味料「かんずり」を小さじ半分くらいプラスするのもおすすめとのこと。

 

 

春巻きは、皮2枚で包むのが〝まつは流〟。もし皮が破けても問題ないうえ、パリパリ感とボリュームが増すのです。

 

 

一緒に揚げているのは、偶然残っていたライスペーパーを使い即興で作った「さやいんげんの一本揚げ」。仕上げに塩をパラリとふるだけ、こちらも簡単・美味です。

 

「さやいんげん、大好きなんです」とめぐみさん。いつもは、少し焼き付けるようにした塩炒めで食べることが多いのだとか。

「でも、定番ではつまらないし、せっかく屋外でいただくので、今回は、もりもり、ガブっとほおばれる一品にしようと決めました。包み揚げにすると、皮の中で蒸されて、さやいんげんの香りが引き立ちます。皮はお好みで、もっちりとしたタイプのを使ってもいいと思います」(めぐみさん)

 

6月、京北の畑で、とれたて野菜をいただきます!

 

今回のドリンクは、吉田さんにもらったニホンミツバチのはちみつと、畑のレモンバームを練り、ラム酒と合わせてソーダ割りにしたもの。

 

 

いつのまにか、ニンニク、タマネギ、さやいんげんとセイタカアワダチソウの葉(この葉っぱ、予想外のおいしさでびっくり)を加えたパスタもできていました。うまみはハタハタのオイル漬け。

 

 

今回のテーブルコーディネートの鍵は、すぐそこに自生していたカラーの花。葉っぱがお皿代わり。祥子さんが摘んでくれました。

 

赤いグミの実も添えて、完成~!

 

 

この断面! しっかりと太った、穫れたてのさやいんげんを、もりもり、ガブリとほおばれます。めぐみさんの狙いどおり。

 

 

撮影後は、ちょっぴりぜいたくな時間。

 

 

また来月も、楽しみです!

 

【取材協力】

■京北の畑・野菜の紹介/吉田修也さん(「京農園よしだ」「Okulu」)

https://www.okulu.kyoto/

■畑を訪ねる人、料理考案/西村めぐみさん(京町家カフェ「まつは」)

※「まつは」は「まつは」は現在、不定期営業。ケータリングやお弁当などの注文は要相談。営業スケジュールはホームページやSNS(facebook、Instagram)などで確認を

https://www.matsuha225.com/

スポット情報

店舗・施設名 「京農園よしだ」「Okulu」
住所 京都市右京区京北上弓削町牛子谷4
電話番号 090-5472-6048
駐車場 あり
ホームページ https://www.okulu.kyoto/

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