おでかけ

2018.11.30

あーーーーーーーーもぉーーーーーーー!!!!!!!

バスが来ない! タクシーは動かない!! 電車も遅れる!!! そもそも人が多すぎる!!!!

 

ようこそおおきに。椿屋劇場支配人こと、ライター椿屋です。

みなさん、京都お好きですか? 紅葉、お好きですか?

 

我々、京都に住まう者として、この時季の合い言葉と言えば……

「もう一歩中へ!」

満員御礼のバスは降りる乗客がいなければドアも開かない非情さ。それを解消するための魔法の呪文でございます。黄色の線を踏まぬよう、「もう一歩、中へ!!」

 

たしかに、色づく木々は美しゅうございます。が、名所はどこも紅葉より他人様の後頭部を眺めるしかない有様。ただ葉っぱが黄色や赤に染まるだけなのに……。

あらやだ、つい心の声がだだ漏れてしまいました。こほん。失礼。

というわけで、今回はそんな秋のハイ&トップシーズンの京都市内をする~りと脱け出してびゅ~んと北へと行ってまいりました。

「観光するのに道路を走るタクシーが駄目なら、海上タクシーを呼べばいいじゃない?」ってなもんで、舟を呼びつけましたわよ。お・ふ・ね!

 

 

「HEY!タクシー!!」

えぇ、直前まで美酒美食を愉しんでいたお店から電話一本でお供(京都の店ではタクシーのことをこう呼びます)を手配する昼下がり。

 

 

やってまいりましたのは京都府与謝郡伊根町。京都の日本海側、丹後半島の北東部に位置する町です。

 

いやー、まことに、いい陽気でございますね。

これだけ天気が良くて、海風も心地好いと、待っている時間も格別です。

 

海上タクシーは、伊根湾沿いのどこでも希望の場所に迎えに来てくれて、ゆったりのんびり約30分の周遊を愉しめるとっておきのアクティビティ。移動はもちろんのこと、その道中(海中?!)に地元の漁師さんなどが伊根の舟屋の歴史や景観について深イイ☆ナビをしてくれはります。

 

 

ここ伊根といえば、海側に舟屋、山側に母屋が建ち並ぶ町並みで知られ、海と共に暮らしてきた人々の生活を感じることができるだけでなく、映画のロケーションとしても見どころたっぷり♪

舟屋とは、1階が船のガレージで2階が居室になっている建物のこと。伊根湾沿いでは、水際ぎりぎりに約230もの舟屋が軒を連ねます。その独特の景観は、漁村として全国で初めて国の重要伝統的建造物群保存地区(略して、重伝建)に選定され、どこか懐かしい気分にさせてくれるフォトジェニックな佇まい。「映え」ですわね、「映え」!

舟屋は江戸時代の中期から存在しているといわれ、当時は茅葺の屋根で、網を干す必要性から床板はなかったそう。その後、ほとんどの舟屋が明治から昭和初期にかけて現在のような木造2階建てになったんだとか。

 

 

中には、江戸時代と同様の工法で修景された舟屋も保存されていて、海の上から当時を思い起こすことができる場所も。

詳しく説明しながら案内してくれる船長さん、笑顔がお素敵! 船の扱いもお手の物。

 

 

「伊根は日本一殺人事件の多い漁村ですけどもね、どんな難事件も2時間で犯人が逮捕されますから安心してください」という好調な滑り出し。そのトークの完成度の高さに感心しながら、うっかり京都の飲み屋ノリで「おとうさん」と呼んだら、「こんな大きな娘はおりません」と言われる始末(苦笑)。ご本人のご要望により、「キャプテン」と呼ばせていただくことに。

 

キャプテン、息子さんが舟屋をリノベーションしたお宿を営んでいらっしゃるとのことで、そちらも海から拝見。ちなみに、伊根町には1日1組限定の舟屋の宿がいくつもあり、伊根町内で水揚げされた新鮮な魚介料理や地元で採れた旬野菜などが味わえるので、泊まりで訪れるのもいいですよ。(わたくしはいつものごとく弾丸でございましたが……)

 

 

ロケ地としても有名な伊根の舟屋。

『男はつらいよ』や『釣りバカ日誌』に登場し、NHK朝の連続ドラマ小説「ええにょぼ」の舞台にもなりました。ちなみに、「ええにょぼ」とは丹後方言で「美人」という意味。あらやだ! わたくしにピッタリな言葉でございますね。(最初「良い女房」だと勘違いしたのはここだけのお話ということで……)

 

 

湾を一望できる道の駅「舟屋の里 伊根」には、こんな記念碑も!

 

さらに、最近ではアニメーション映画『夜明け告げるルーのうた』で主人公カイが住む家のモデルになったことでも話題になりました。湯浅監督曰く、克明に描き込まれている町の様子は「名古屋の島の港町や倉敷の商店街などを参考にした」とのことですが、やはり舟屋の影響が大きいのでは?!とニヤニヤしてしまうのは、京贔屓が過ぎるというものでしょうか。みなさまもぜひ一度、ご覧になってくださいませ。

 

 

ところで、船が出航するとやってくるたくさんのカモメたちの様子もお届けしておきますね。

彼らのお目当ては、船から投げられる餌! 船に近づけば餌にありつけると知っているからエライもんです。上手にえびせんをキャッチする光景は、本当に愉快。息が合った瞬間は、凄腕の曲芸師にでもなったような気分に浸れます。もちろん、BGMは♪カモメ~が翔んだ~カモメが翔んだ~♪でお願いいたします。

 

 

争奪戦激しい様子は、さながら人間世界の如し。たまにトンビがアプローチしてくるのもご愛敬です。

 

船上では、タイタニックごっこ(一人ですけども! エアディカプリオですけども!)も楽しめちゃいます。

遊覧後は、希望の場所まで送り届けてくれるという至れり尽くせりなサービス。これで1人2000円とは。なんてお値打ち! 丹後を訪れた際には、ぜひともお試しあれ。

 

>舟屋以外のお楽しみもお見逃しなく!

 

Information
店舗・施設名 伊根町観光協会
住所 京都府与謝郡伊根町字平田491
交通 【電車の場合】
京都丹後鉄道(JR京都駅、大阪駅から直通あり)「天橋立駅」または「宮津駅」で下車し、路線バス(丹後海陸交通)に乗り換えて約1時間。バスの運賃は「天橋立駅」または「宮津駅」から400円です。
バスの行き先は「経ヶ岬」、「蒲入」、「伊根郵便局前」のいずれかをご利用ください。

【車の場合】
京都から(約2時間30分)
京都縦貫自動車道→宮津市・与謝野町→R176→R178→伊根町
ホームページ http://www.ine-kankou.jp/

Writer椿屋 山田涼子

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Writer椿屋 山田涼子

京都拠点の映画ライター、グルメライター。合言葉は「映画はひとりで、劇場で」。試写とは別に、年間200本以上の作品を映画館で観るシネマ好き。加えて、原作となる漫画や小説、テレビドラマや深夜アニメまでをも網羅する。最近Netflixにまで手を出してしまい、1日24時間では到底足りないと思っている。
Twitter:@tsubakiyagekijo

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