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現在、東福寺の建つ寺域には、かつて藤原忠平によって建てられた藤原氏の氏寺・法性寺(ほっしょうじ)の伽藍がありました。そして鎌倉将軍藤原頼経の父・九条道家は、この地に高さ5丈(約15メートル)の釈迦像を安置する大寺院を建立、寺名は奈良の東大寺、興福寺の二大寺から1字ずつとって「東福寺」と名づけました。この巨大な釈迦像は二度焼失し、現在その姿はみられません。しかし東福寺には14世紀に再興された本尊像の遺物として、長さ2メートルほどの「仏手」が保管されているそうです。東福寺~伏見稲荷大社間、また高台寺周辺は歩いても楽しいエリア。時間と体力に余裕があれば、ぶらぶら歩きがおすすめのコースです。

モデルコース(伏見稲荷大社より東福寺、高台寺へ)

伏見稲荷大社 伏見稲荷大社 お茶屋
京都駅よりJR奈良線「稲荷」駅下車すぐ
東福寺 東福寺退耕庵、東福寺勝林寺
伏見稲荷大社から徒歩22分
JR奈良線「稲荷」駅より「東福寺」駅下車徒歩7分
高台寺
京阪本線「東福寺」駅より「祇園四条」駅下車徒歩12分
市バス207系統「東福寺」バス停より「東山安井」下車徒歩5分

コースの見どころ

東福寺 退耕庵 イメージ
東福寺 退耕庵

「小町の寺」として知られる東福寺の塔頭寺院。1599 (慶長4) 年に退耕庵11世安国寺恵瓊(あんこくじえけい)により再建された客殿には、関ヶ原の戦いを前に、西軍の石田三成らと恵瓊が謀議を行ったと伝わる四畳半の茶室「作夢軒(さくむけん)」があります。この茶室は、用心のための忍び天井や護衛の武士が控えたとされる「伏侍の間」を備えています。北に池泉観賞式庭園が、南に室町期作庭の「真隠庭(しんにんてい)」と呼ばれる杉苔に覆われた枯山水庭園が広がり、樹齢300年の霧島つつじが植えられています。小野小町との縁も深く「小町百才の像」や玉章(たまずさ)地蔵尊も見ることができます。 ※ 1/11(日)午後、12(月・祝)、31(土)午後、
2/1(日)、28(土)午後、3/1(日)は拝観不可
※ (1/11、31、2/28は11:30受付終了)

東福寺 勝林寺 イメージ
東福寺 勝林寺京の冬の旅初公開

東福寺勝林寺は「京の冬の旅」初公開です。
「東福寺の毘沙門天(びしゃもんてん)」と呼ばれる塔頭寺院で、1550 (天文19) 年に創建されました。虎の絵が描かれた毘沙門堂に安置されている毘沙門天立像は平安時代の作で、東福寺仏殿の天井内にひそかに安置されていたもの。宝塔、三叉戟(さんさほこ)を持った等身大に近い姿で、今冬特別にご開帳されます。脇侍の吉祥天像、善膩師童子(ぜんにしどうじ)像は江戸期の作で、衣の彩色が鮮やかに残っています。また日本画家・ 田村月樵(たむらげっしょう)作「毘沙門天曼荼羅(まんだら)」の繊細な版木、「七難七福図」などの寺宝もあわせて特別展観されます。

伏見稲荷大社 お茶屋 イメージ
伏見稲荷大社 お茶屋

平成23年にご鎮座1300年を迎える全国稲荷神社の総本宮。お茶屋(重文)は、1641 (寛永18)年に後水尾院より御所の古御殿(こごてん)の一部を拝領したものです。付書院(つけしょいん)・違い棚を設けた格調高い書院造に、漆の菱形格子の欄間や釘隠しなど数奇屋造(すきやづくり)の意匠をとりいれ、茶座敷の雰囲気を出しています。稲荷山を借景とした「松の下屋(まつのしたや)庭園」は茶室や待合が点在する緑豊かな回遊式庭園で、庭内に佇む風雅な「松の下屋」では、棟方志功(むなかたしこう)筆の襖絵「御牡丹図(おんぼたんず)」「御鷹図(おんたかず)」などが特別展観されます。

高台寺 イメージ
高台寺

高台寺は1606(慶長11) 年、豊臣秀吉の菩提を弔うために正室・北政所ねねが建立した臨済宗建仁寺派の寺院。このお寺には華やかな桃山文化を偲ばせる建築や寺宝が数多く残っています。
今回は秀吉と北政所を祀る霊屋(おたまや)(重文)の厨子に安置されている本尊・大随求菩薩(ずいぐぼさつ)像の特別ご開帳や、「高台寺蒔絵(まきえ)」として名高い華麗な厨子の扉の蒔絵文様を間近で見ることができます。また、天井に龍が描かれた開山堂(重文)の内陣や、秀吉公愛用の履物、杖、南蛮渡りの陣羽織(複製)などもあわせて特別展観されます。

京の冬の旅「非公開文化財特別公開」
期間
2009/1/10(土)~3/18(水) 10:00~16:00(受付終了)
※法要等、都合により拝観できない日や時間帯が生じる場合があります。
※高台寺は9:00~17:00
料金
1か所 600円(いずれも団体割引あり) 
お問い合わせ
京都市観光協会 TEL 075-752-0227
ホームページhttp://www.kyokanko.or.jp/

ほっこりコラム

東山・伏見 ほっこりコラム イメージ
国鉄最古の建築物
JR奈良線「稲荷」駅は昔、東海道線の駅でした。JR東海道線・京都駅~山科駅間にある「東山トンネル」が開通するまで、東海道線は京都駅から一度稲荷駅まで南下し、京都~稲荷~山科~大谷~馬場(膳所))が東西両京を結ぶ幹線として活躍していたのです。この旧東海道線 稲荷駅ランプ小屋は旧東海道線の建物として残ったただ一つのもので、同時に国鉄最古の建物として貴重な遺構の一つなのです。
事前に予約をすると、中を見学することもできます。見学できる日時、時間などは下記にお問合せください。

JR西日本お客様センター(受付時間 6:00~23:00)
(受付時間 6:00~23:00)
または TEL 078-382-8686(固定電話からは市内通話料で利用可能)