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長年にわたり和紙製品を企画・販売してきた「尚雅堂」。その初となる直営店兼ギャラリー「ADASHINO HOUSE(あだしのハウス)」が嵯峨・鳥居本にオープンしました。
築100年の町家をリノベーションしたモダンな空間には、色彩豊かな友禅和紙を用いた御朱印帖やリングノートなど、尚雅堂のオリジナルプロダクトが一堂に並びます。
今回は「ADASHINO HOUSE」と、そこで出会える文房具・紙雑貨をご紹介します。
ADASHINO HOUSEがあるのは、街道沿いの風情と豊かな自然が残る、嵯峨・鳥居本。
京都バス「鳥居本」から徒歩約3分、JR嵯峨嵐山駅または嵐電嵐山駅から徒歩約30分の場所にあります。
町家風民家や農家風民家が連なるこのエリアは「嵯峨鳥居本伝統的建造物群保存地区」に指定されており、観光客で賑わう嵐山とはうってかわって穏やかな空気が流れています。
尚雅堂は1964(昭和40)年に、和紙製品の卸問屋として京都で創業。全国の書道専門店や画材店、文具店へ、和歌や俳句などを綴る色紙短冊・和本帖などの製品を届けてきました。
現在はその製造技術を生かし、伝統的な紋様を現代的に昇華させた和文具の企画・販売も行っていて、御朱印帖やリングノートは、文具博などの催事でも人気を集めています。
「友禅朱印帖」各1,980円(税込)から
そんな尚雅堂の世界観をまるごと体験できる場所として、2025年7月に誕生したのがADASHINO HOUSE。これまで催事や限られた店舗でしか出会えなかった商品も、ここではほぼすべて揃います。
ADASHINO HOUSEのブランドデザインを手がけたのは、尚雅堂のプロダクトを手がけるデザイナー・中田泉氏。ロゴやパッケージなどの一連のデザインは「京都デザイン賞2025 大賞」を受賞しました。
築100年の町家風民家をリノベーションした建物の入口には、紋が染められた大きなのれんが掲げられています。
この紋はADASHINO HOUSEのために制作されたもので、尚雅堂の社紋「若松」にちなみ、松ぼっくりと松の葉がモチーフになっています。風情ある佇まいに、思わず写真を撮りたくなりますね。
店舗デザインは、プロダクトデザイナー・福定良佑氏によるもの。元々の構造を活かした造りになっており、スタイリッシュでありながら町家ならではの温かみも感じられます。
シンプルモダンな空間
見上げると大きな梁が
壁面には80冊以上の御朱印帖がずらりとディスプレイされています。ひとつひとつ異なる表紙の柄が並ぶ様子は美しく、アート作品を眺めているような気分になります。
表に出ていないものも含めると、柄は100種以上
友禅和紙を使用したランプシェードも、ADASHINO HOUSEのために制作されたもの。
店内奥には友禅職人の写真が飾られており、目の前に並んだプロダクトの背景に思いを馳せることができます。
ADASHINO HOUSEは単なる販売店ではなく、尚雅堂のものづくりを見て、触れて、追体験できる、そんな場所なのです。
尚雅堂のプロダクトは主に友禅和紙を使用しており、選りすぐった和紙を職人が一つ一つ手で染めています。
ADASHINO HOUSEではそれらに触れ、友禅和紙ならではの立体感のあるテクスチャや、色彩の鮮やかさを感じることができます。
リングノートや小物入れ、がま口ポーチなど暮らしに取り入れやすいアイテムに仕立てられているのも、尚雅堂のオリジナルプロダクトならでは。
「リングノート」各1,320円(税込)から
組み立て式トレイ「TUCK」各1,430円(税込)
「和綴じメモ」各385円(税込)から
なかでも年始におすすめなのが「おみくじ袋」。よい運勢のおみくじを引いたとき、大切にしまっておくための袋です。
「おみくじ袋」各715円(税込)
友禅和紙には揉み加工が施され、内側には布を張った本格的なつくり。カバンの中に忍ばせるのはもちろん、外側につけてもおみくじをしっかり守ってくれそうです。
尚雅堂のオリジナルプロダクトのもう一つの特徴は、古くから受け継がれてきた友禅和紙の版を、現代的な色彩で表現したオリジナルの柄。
「“和だから”でなく、現代的な感覚でシンプルに “かわいい”と思っていただきたい」そんな思いで開発された柄は、どれも洗練されたセンスが光ります。
柄のシリーズは全部で8種類。なかでも人気の「neon」は、昔ながらの友禅和紙の版を使っていることに驚くほど、ビビッドでポップなデザインです。
蛍光色がかわいらしいシリーズ「neon」
neonの対になるシリーズ「chic」はエレガントで秋らしく、neonと同じ技法で作られたとは思えないぐらい印象が違います。
エレガントな印象のシリーズ「chic」
これらの柄は、デザイナーと、創業当初から尚雅堂とつながりのある友禅職人との丁寧なやり取りの中で生まれます。
まずテーマに基づいて、友禅和紙の版を元にデザイナーが柄を考案。描き込みの多い紋様であれば色数を抑え、シンプルな紋様であれば色を足すなど、版に対する足し引きで柄を仕立てます。
そして友禅職人がその柄を和紙の上に再現。例えば下記写真左の柄は、3種類のシルバーを使い分け、奥行きを表現しています。
「neon」シリーズの御朱印帖とおみくじ袋
同じ色づかいでも、どの色を上にのせるかによって印象が変わるため、ここでも細やかな調整が欠かせません。
磨かれた感性と職人の技、そして積み重ねられたコミュニケーションによって、尚雅堂のオリジナルプロダクトは生み出されています。
これだけの工程を経て生まれた製品を手元に置くのは、まるでアートを飾るような特別感がありますね。
オリジナルプロダクトに触れ、友禅和紙の魅力を感じ、買い物を超えた体験ができるADASHINO HOUSE。嵐山の賑わいから離れてわざわざ足を運びたくなる、そんな場所でした。
ADASHINO HOUSEはJR嵯峨嵐山駅、または嵐電嵐山駅から徒歩約30分の場所にあり、近くには化野念仏寺や祇王寺、小倉百人一首ゆかりの地などの名所がありますよ。
営業日時はInstagramで告知されているため、事前にチェックしてから訪れるのがおすすめです。
https://www.instagram.com/shogado_kyoto/
今後はADASHINO HOUSEでしか手に入らない、四季折々のプロダクトも展開予定とのこと。友禅和紙の魅力を体験できる企画も進行中だそうです。
気になる方は、ぜひInstagramをチェックしてみてくださいね。
| 店舗・施設名 | ADASHINO HOUSE(あだしのハウス) |
|---|---|
| 住所 | 京都市右京区嵯峨鳥居本六反町18 |
| 電話番号 | 075-881-8488 |
| 営業時間 | Instagramにて告知 |
| 交通 | 京都バス「鳥居本」から徒歩約3分 JR嵯峨嵐山駅または嵐電嵐山駅から徒歩約30分 |
| ホームページ | https://www.instagram.com/shogado_kyoto/ |
Writer伊賀朝代
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Writer伊賀朝代
ライター。1歳と5歳の子どもたちと、本と紙ものに囲まれて暮らす日々。学生時代を過ごした京都が忘れられず、15年以上通い続けています。ZINEを独立系書店に置いてもらう傍ら、本屋をひらく準備中。
WEB:https://yo-yo.site
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