京都・二条富小路にある京町家カフェ「まつは」を営む西村めぐみさん、由香さん姉妹。「食材の組み合わせが斬新! そしておいしい!!」と評判の料理を提供する二人が、二十四節気に合わせて考えてくれたおつまみを紹介します。なお、メイン食材は野菜。京都の京北町の農家さんから毎回、この季節の〝推し野菜〟のお題をもらう趣向です。
第5回は、「芒種(ぼうしゅ)」(2021年は6月5日~6月20日)にぴったりな一品をどうぞ。
ほたるいかの干物とチーズの塩気、そして加熱することで ロメインレタスの甘みが存分に引き出されます
「今回は、だいぶ暑くなってきたので、少しドライで強めのお酒を用意しました」と話す、めぐみさん。
「MELLOWED KOZURU EXCELLENCE(メローコヅル エクセレンス)」は、アルコール度数41度の米焼酎。明治16年(1883年)創業、鹿児島で本格焼酎づくりを続ける「小正醸造」の製品です。「テキーラやシェリー酒なども考えてみたのですが、日本のお酒で焼酎っぽくない焼酎があると、思い出して」と、話します。おつまみに使ったほたるいかの干物のワタまで凝縮した旨みと、この焼酎の米のまろやかさと熟成時の樽香、そしてアルコール感が、お互いを引き立ててくれるのが魅力だといいます。
「ロメインレタスとほたるいかのグリル」は、焼いたロメインレタスから出てきたスープも「激ウマ!」(と、試食のとき実際に声が上がりました(笑))。余すところなくロメインレタスを堪能できる一品です。
これからのシーズン、夏の暑さに疲れているとき、生野菜をたくさん食べるのは、「ちょっとしんどいな」、というようなときにもおすすめだそうですよ。
「ロメインレタスとほたるいかのグリル」の作り方
〈材料(作りやすい分量)〉
ロメインレタス…1個 ほたるいかの干物…5尾くらい パルミジャーノ・レッジャーノチーズ…約20g オリーブオイル…大さじ4 塩・こしょう…各適量
〈作り方〉
(1)ロメインレタスは洗って、少し水につけておく。シャキッとしたら、水気をきって半分にカットする
(2)ほたるいかの干物は細く刻み、オリーブオイルに漬けておく
(3)耐熱容器に(1)を並べ、(2)をかける。さらに、軽く塩・こしょうし、パルミジャーノ・レッジャーノチーズ(半量)をすりおろしてかける
(4)オーブン(200℃)で15分ほど焼く
(5)焼き上がったらオーブンから出し、残しておいた半量のパルミジャーノ・レッジャーノチーズをすりおろしてかける
※大きな耐熱容器が無ければ、ロメインレタスを器のサイズにカットして焼いてもよい
※パルミジャーノ・レッジャーノチーズが無ければ、粉チーズで代用しても
※焼き加減は好みに応じて。短めの時間でシャキシャキ感を残してもおいしい
丸ごと焼くと、葉の部分と茎の部分の火の入り方が異なり、違う食感が楽しめるのもポイント。「サラダに使った残りなどを利用してもOKです。―でも、これは思った以上にペロリと平らげられるので、もう、このおいしさを知ってしまってから、必ず丸ごとで作っちゃうんですけどね(笑)」(由香さん)
「きゅっと飲んで、さっぱりといただけるのが、やっぱりいいね」と、しみじみ。ほたるいかの〝和の魂〟と、米焼酎の味わいを響き合わせたい…とのお二人の企み(?)は大成功でした!
〝まるでバニラのような甘く芳醇な香りと、米焼酎由来のふくよかでまろやかな味わいが特長〟だという「MELLOWED KOZURU EXCELLENCE」
現在、「まつは」はお休み中。緊急事態宣言が明けたら、店内での飲食を再開する予定です。なお、定期的に続けている「ティースクール(毎月第3日曜の午後2時~4時、手作りのお菓子4種付き)」や「おふく市(毎月最終金曜・土曜)」などのイベントは、基本的に実施する予定とのこと
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この季節の〝推し野菜〟メモ
ロメインレタス
ロメインレタスは、一般の玉レタスのように結球しない〝リーフレタス〟の一種で、最近はスーパーマーケットでもよく見かけるようになりました。
しっかりとした食感があり、外葉のさわやかな苦味と内葉のあっさりとした甘さが夏を期待させる味です。サラダでいただくのはもちろん、火を通してもおいしい。洋風のお料理だけではなく、和風の料理にも合います。珍しいところでは、お味噌汁、おひたし、ぬか漬けといった調理法もおすすめです。
解説・吉田修也さん(okulu株式会社/京農園よしだ )
―次回は「夏至(げし)」のおつまみレシピをお届けします