- 2021/03/25
- 第24回 〝春分〟に「桜のぼた餅とこごみの酢醤油漬け」を
ある時はごはんやさん、時にはカフェ、そしてバーとして…。二条通にお店を構える「まつは」は、いろんな〝カオ〟を持つお店です。「うちはジャンルにこだわりがないんです。ゆっくりと過ごしてもらえたら嬉しい」と、にこにこ話すのは同店の店主かつ料理人の西村めぐみさん、由香さん姉妹。実は正式に調理を学んだ経験はないというお二人ですが、「食いしん坊なのは確か」とのお言葉に偽りなし。私が思うに、いわゆる〝絶対音感〟のような〝絶対味感〟の持ち主です。
この連載は、「まつは」のお客さんたちを魅了して止まないそのセンスをいかしたお料理を考えてもらえませんか、せっかくだから暮らしの暦〝二十四節季〟に合わせたものを、とのお願いから始まりました。
毎月2回、「わぁ、楽しい」「何がいいかな」「この食材、好き~」といったフワリとした会話の中から生まれる、美味しいもののレシピをお届けします。お店の空気感を自宅でも味わってみてください。
今年の〝清明〟は4月4日
〝清明〟は全てのものが清々(すがすが)しく明るく美しいころを指し、今年は4月4日です。めぐみさんは、「空調をオフに、戸を開け放って息をするのがうれしい! 寒さのなかで咲いていた花ばなの健気な季節が終り、同じ枝から若芽がつやつやのびのびとするのを眺めるのが好きだな」と感じるそう。急に思い立って、食べ物と飲み物をみつくろって真っ直ぐ鴨川に向かう、なんてこともある時季だとか。
そんな生命力にあふれる季節のイメージを、ワンプレートに盛りこんでくれました。
みずみずしいお豆は、さっと湯がいてフレッシュなおいしさを味わってもらえるサラダに。
さわやかな香りが魅力のレモンは白い衣の中に閉じ込め、見た目も清らかに仕上げます。春のエネルギーを感じられるようなメニューになったのでは、と思います。