平安遷都以前からの神饌行事を現代に伝える
京都から近江坂本へと通じる街道沿いに位置し、少彦名命を祭神として祀る北白川天神宮における伝統特殊神事。
秋季大祭のはじめに神前に朝御饌(高盛御本膳)を献ずる。うず高く盛られた神饌は古式神饌のかたちを今に伝えるものとされる。
神饌は、数日前より精魂こめて準備されるもので、北白川伝統文化保存会の盛方衆が沐浴斎戒し、厳しい戒律のもと、夜を徹して調製する。小芋・大根なます・刻みするめの高盛はそれぞれ繊細で薄味の独特の味付けで調理され、伝統に基づき円錐形に高く美しく盛り付けられる。また、縄をかけて締め固め盛り重ねた米飯(盛相)、白酒が入った御神酒桶、トビウオをのせた豆腐、シイラ、柿、栗、枝豆なども整えられ、それらを槽(ふね)にのせ、紋付小袖に丸帯・前垂れ姿の女性たちが頭上にいただき行列して運び、朝8:00に神前に献ずる。
京都市登録無形民俗文化財(昭和58年登録)。
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