陶芸家 板谷波山は、明治5年(1872)茨城県下館町(現・筑西市)に生まれ、昭和28年(1953)には陶芸家として初の文化勲章を受章し、昭和29年(1954)には日本画の横山大観とともに茨城県名誉県民の第一号となった。
波山は、理想の作品づくりのためには一切の妥協を許さないという強い信念により、端正で格調高い作品を数多く手がけた。その一方で、波山は、故郷のまちと人々をこよなく愛し、共に信頼し、共感し合いながら、生きていくことを大切にした人物でもあった。 令和4年(2022)3月3日、我が国の至宝である板谷波山は、生誕150年を迎えた。この記念すべき年に、住友コレクションはじめ波山の選りすぐりの名作を一堂に集め展覧する。
あわせて、波山が生まれ愛した故郷への思いや人となりを示す貴重な資料、そして試行錯誤の末に破却された陶片の数々を通して、「陶聖」と謳われる波山の様々な姿を紹介する。 波山の作品に表現された美と祈りの世界に癒され、そして、波山の優しさとユーモアにあふれた人生に触れるひと時をお楽しみいただきたい。