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おいしい香りがどこからか…
新町通を歩いていると、どこからともなく芳ばしい香りがただよってくる。大きな町家に近づくにつれてその香りは強くなる。町家の前に着くと「澤井醤油本店」の文字とお醤油のいい香り。現在の店舗は、京都市から「歴史的意匠建造物」に指定されており、創業当時の雰囲気をイメージして平成14年に改築されたもの。麹菌が住むという建物に一歩に入ると今までの喧噪はどこへやら、醤油を仕込むための大きな樽がいくつも並ぶレトロな空間が広がる。ここにいると、時がゆっくりと流れているような気分になる。 |
| まるさわの濃口醤油 澤井醤油の看板商品、濃口醤油。一般に売られている濃口よりも、その色はずいぶん濃い、という印象を受ける。それもそのはず、この店の濃口は「再仕込」という製法で作られているのだ。出来上がった醤油の生の状態(搾っただけで火入れしていない状態)である生揚(きあげ)を塩水の代わりにし、もう一度大豆と小麦を使って二度目の仕込みを行なうものが再仕込。熟成には二年を要する。 |
![]() ▲五代目 澤井久晃さん 宏美さん |
| 黒豆醤油 一方、今年から新しく商品に加わった黒豆醤油は一回仕込。蒸した大豆と、炒って砕いた小麦を麹とあわせて発酵させた後、塩水とあわせて発酵・熟成させる。実はこの黒豆醤油、お客様からの熱烈なリクエストから開発がスタートしている。新しい意見はどんどん取り入れようという、五代目の澤井久晃さんと宏美さん夫妻の意気込みが伝わってくる商品だ。原料に使っているのは京都・丹波産の黒大豆。豆自体が大きいため、分解するのが遅く発酵に時間がかかる分、じっくりと熟成させているそう。黒大豆には大豆にないアントシアニンが含まれているため、すぐれた抗酸化作用が期待できるのだ。ちょうど薄口と濃口の中間にあたる塩分・味わいになっており、日常の料理にも使い勝手が良い。 |
| 伝統あるものと新しいもの トートバッグ付きのお醤油セットや丸大豆醤油など新しいものにどんどんチャレンジしている。その一方で、仕込みに使っている木樽の再生にも尽力するなど、代々伝えられてきた伝統も重視している。両方に力を入れているからこそ、「まるさわの醤油」ファンは確実に広がっているのだ。 |
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写真歳時 京の四季の花







