京の台所 京都のほぼ中心、四条通の一本北の筋が錦通。西の高倉通から東の寺町通にかけて、錦市場はある。地域の人からは親しみを込めて「錦」と呼ばれる市場である。全長約400m、幅3~5mの細長い通りには魚、京野菜などを扱う専門店が100軒以上もあり、古くから京の台所としての役割を担ってきた。ある時は料理人などのプロが仕入れる場として、またある時は地元の市場として、また最近では観光スポットにも。品揃えの豊富さと扱う商品の専門性を兼ね備えた錦。ここに来れば食材はなんでもそろう、と言われるのも頷ける。 |
川魚専門店『大國屋』
店の前を通りかかると、思わず足を止めずにはいられないタレの香り。うなぎや八幡巻、川魚全般を扱う専門店、大國屋があるのは錦市場のほぼ真ん中。店主、山岡国男さんにお話を伺った。 うちでは国産のうなぎだけを使ってます。外国からの輸入量が増えて、安いものも売られるようになってきたけど、やっぱり国産のものとは味も安心度も違う。タレの材料、醤油とかは、できるだけ地のもんを使ってます。自分が住んでいるところのものを使ってこそ、水も合うし、それが回り回って自然と地域の活性化にもつながるんとちゃいますか? |
▲店主 山岡国男さん |
ぶぶうなぎ
山椒うなぎと、ぶぶあられ、そして特製のお茶がセットになった「ぶぶうなぎ」。「ぶぶ」というのは京都弁でお茶のことである。販売しはじめて10数年、商品ができたきっかけは「おいしいし、セットにしてみよか」というシンプルなもの。山椒うなぎは『大國屋』の特製。備長炭で焼き上げたうなぎを、京都・北山でとれた山椒の実が入ったタレでじっくりと炊きあげる。完成までに三日はかかるという一品である。ぶぶあられは京のあられ処『橘屋』のものを、お茶には『丸久小山園』のほうじ茶と煎茶をそれぞれ三袋。あとはご飯とお湯さえあればおいしいお茶漬けが手軽にいただけるという、三店のコラボレーション商品なのである。 熱ごはんの上にざくっと切ったうなぎ、そしてぶぶあられをぱらぱらと。最後に熱いお茶を注いで口に入れる。炭火で焼いたうなぎの味と香ばしさ、タレの甘みと爽やかな山椒がいっぱいに広がり、まさにクセになる。お茶漬けだけではなく、お粥やおにぎりの具にしても最高!一度味わうと、また注文したくなる逸品である。 |
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