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芽が息吹く-sprout- 〜京都を舞台に開催される「KYOTOGRAPHIE京都国際写真祭サテライトイベントKG +」45 Kumagusuku SAS にて

2022/05/06

こんにちは、本日デジスタイル京都デビューのヨシハラです。

みなさまよろしくお願いします!

普段はディレクターをやっていますが、今回訪れた作品展に感動してしまい、つい執筆を申し出てしまいました。(クセになったらどうしましょ)

 

お邪魔したのは、「KYOTOGRAPHIE京都国際写真祭サテライトイベントKG +」の展示エリアの一つKumagusuku SAS というスペース。

https://www.kyotographie.jp/map/(展示No.45)

 

 

ここ「Kumagusuku SAS」さんにて、ご夫婦で展示されている若きアーティスト安西可奈さん、小寺太郎さん お2人の展示を、小寺さんへのインタビュー形式でご紹介いたします。

 

ヨシハラ

-まず、「芽が息吹く-sprout-」という展示タイトルですが、素敵ですね。

このタイトルはどのように決まったんですか?

 

小寺

-タイトルである“芽が息吹く”ことが始まりなのか?終わりなのか?そういった過去に僕が持っていた疑問から来ています。

二人展をする上で、お互いの時間が混ざり、過去や未来のプロセスが、人々の生活で生まれる“出会いの構造“の様に思いました。娘の誕生も展示をする大きな動機となっているんですが、僕らにとっての生活は、いつぞやに蒔いた過去の種が芽吹いていく瞬間の連続だと考えていて。。。

それらの問いかけも含めて、今回の展示タイトルとしました。

 

ヨシハラ

-そうなんですね。確かに、「瞬間の連続」という言葉がしっくり来ました。作品に辿り着く前に、まず目にってくる空間が印象的でした。

森、水、風と、それらが通りぬけた跡。色んなものが重なって見えるような不思議な感覚ですね。

 

小寺

-ありがとうございます。今回は、計5点から成る全ての写真が、それぞれが制作してきた作品シリーズから1点選ばれている事もあり、インスタレーションによって“時間の循環”という全体テーマの線が繋がれているように会場では展示しています。

 

ヨシハラ

-なるほど、空間もコンセプトを表現する大切なパッケージの一部なんですね。

それでは、早速ですが展示作品を紹介していただけますか?

 

小寺

-作品No.1  この写真は安西の作品で“Thirsty of love”というタイトルです。

サーク島というイギリスにある小さな島を訪れた際に撮影した写真です。安西はイギリスに1年ほど滞在していた時期があるのですが、そこでの生活の中で、庭仕事を手伝うような機会があり、自然の循環に入っている感覚を強く感じる体験をしたそうです。

あまり人が手を入れた自然に美しさや感動を覚えることがなかったんですが、この写真にあるガーデンは、人の手と自然の調和が素晴らしいと感じ、思わずシャッターを切ったそうです。それ以降、意識的に人の手と自然の調和に対してレンズを向けています。

 

続いて2つ目の写真は私の作品で“Crystal Time#0”というタイトルです。

この作品はダゲレオタイプといって銀メッキをした銅板などを感光材料として使うため、日本語では銀板写真とも呼ばれている手法を用いています。

私の作品では、写真を時間の結晶として捉えていて、日常にある出来事を対象に撮影しています。

ちなみに、この写真は、「Crystal Time」というシリーズで撮っているものです。

 

過ぎていく日々から、溢れてしまった輝かしい出来事が沢山あるのでは?という思いから始まっています。

娘が生まれた時、僕の人生にも凄く輝く出来事があるというのを強く感じました。

僕の知る限り1番シビアな撮影方法を用いることで、自分の日常と強く意識的に対峙する環境を作り出し、撮影した作品をまとめています。

 

ヨシハラ

-小寺さんのお話を聞いていて思ったのですが、お二人とも日常の営みや、時間の積み重ねなど、生活の中で生まれる感覚を非常に大切にされているなと。そんなお二人のこれからというか、今後の展望などがあれば、是非聞かせていただきたいのですが?

 

小寺

-おっしゃる通り、私たちの作品は日常や生活について取り上げている物が多く、世の中に発表したタイミングで意味合いに変化があると思っています。

今回の展示では、作品を通して見て頂きたい世界をなるべく私達が在廊して直接お話しするようにしています。

 

多くの出来事が、色んな方法で現在は世の中に発信されていますが、なるべく意図にズレが生じないように、興味関心を持って頂いた方とディスカッションし、花に水をやる様に作品を育てたいと考えています。

発表というスタートの部分では展示という手法にこだわってこれからも発表していこうと思います。

 

ヨシハラ

-なるほど、花に水をやる様に作品を育てる!とは何とも素敵な表現ですね、響きました。

それでは、最後になりますが、みなさんに伝えたいメッセージなどはありますか?

 

小寺

-世の中にある伝達方法はまだまだ成長し、言語化しにくい事も多く、あらゆるメディアを通して伝えられようとしています。今の世の中を解釈していくには、僕自身はフィーリング力と言ってますが、流行語などの様に今の時代を的確に象徴している感覚を何かしら形成して、伝わる物を作る力が必要な気がしています。

その力を養う為にも、実際に色んな経験を実際にしていくことが、自己形成においてとても重要な事だと思っています。

 

私たちもこれからの生活の中で、たくさんの経験を通して感じた物を作品へと落とし込み、活動を行なっていきたいと思います。それらが世の中と添い寝が出来るようなものでありたいと願っています。

ヨシハラ

-展示を鑑賞させていただき、僕が一番強く感じたのは『時間を大切にする』というキーワードでした。

『生きている時間・瞬間』その一つ一つを流さずに丁寧に積み重ねていくという姿勢に思わず、自分自身の生き方を振り返ってしまう。。。

それは、とても心地よい刺激で、明日を迎えるエネルギーでもあるのかなと。

 

そんな事を感じさせてくれたお二人。

これからの作品にも目が離せません!

 

 

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