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【3/6まで!】京都国立近代美術館の「新収蔵記念:岸田劉生と森村・松方コレクション」展に行ってきた!

2022/02/28

お出かけして気分を変えたいけど、雨が降っている時や寒さ暑さが厳しい時は、美術館に行くのが好きなイタクラです。

 

今回は、京都国立近代美術館で開催中の「新収蔵記念:岸田劉生と森村・松方コレクション」展に行ってきました。

このポスターやチラシ、ご覧になったことある方も多いのでは?

 

■岸田劉生 《麗子裸像》 1920(大正9)年、京都国立近代美術館

 

岸田劉生と言えば、彼の娘、麗子を描いたシリーズが有名ですね。

 

今回の展覧会は、2021年3月に京都国立近代美術館が岸田劉生の作品42点(うち1点は表・裏2面からなるため画面数は43面)を一括収蔵したことを受けて開催されたもので、すでに収蔵されていた作品などを合わせた56点が一挙に展示されています。

 

新収蔵により、点数が充実しただけではなく、初期から晩年まで各時期の画風が揃い、その流れをたどることができるとともに、自画像・肖像画・宗教画・風景画・静物画・風俗画(芝居絵)といった各領域を網羅。

油絵、水彩画、日本画に加え、版画や彫刻も含めた創作活動全体が展望できる充実の内容となっています。

 

それでは、一部ですが展示作品をご紹介していきましょう。

 

■岸田劉生 《夕陽》 1912(明治45)年、京都国立近代美術館

 

こちらは、1891年に銀座に生まれた劉生が、1911年に文芸誌『白樺』を読んでポスト印象派を知り、バーナード・リーチや武者小路実篤と出会って、ゴッホやセザンヌの影響の色濃い作品を制作するようになった“銀座時代”の代表作です。

ここ40年くらいは門外不出となっていた「幻の名作」なのだそう。

まさに、ゴッホの影響を感じますよね。

 

■岸田劉生 《外套着たる自画像》 1912(明治45)年、京都国立近代美術館

 

こちらも同時期の自画像で、20歳という若さで描かれました。

 

 

そして、1913年、22歳の年に結婚し、代々木に転居します。熱心なキリスト教徒であった彼が聖母を描いたとされるのがこちらです。

 

■岸田劉生 《エターナル・アイドル》 1914年、京都国立近代美術館

 

聖母像ですが、胸が露わになっているのが特徴的ですね。この頃、西洋美術の「クラシックの感化」を強く受け、多くの宗教画を制作しています。

そして、当時まだ郊外だった代々木の赤土と草の生命力に刺激を受け、風景画も盛んに描いたそうです。

しかし、肺結核と診断され、療養のために駒沢に転居。さらに、1917年には温暖な鵠沼に移り住んで自宅療養に専念し、静物画を手掛けます。

 

■岸田劉生 《壺》 1917(大正6)年、京都国立近代美術館

 

日本画や東洋の陶磁器が好きな私は、この作品がとっても気になりました。

油絵として壺のつやっとした質感や立体感が表現されつつ、壺の東洋的な絵付けもよく再現されていて、一つの絵に東西の美が共存しているよう。

ずっと見ていても飽きない不思議な魅力がありました。

 

この頃に、愛娘の麗子を描いた数々の名作も制作されています。

 

そして、「麗子像が美術の教科書に載っていたなぁ」という程度の知識しかなかった私にとって、劉生にぐっと親近感を持ったポイントがあります。

それは、彼が一時期京都に住んでいたという事実。それも、岡崎公園の南にある南禅寺草川町なんです(瓢亭のそばで、この美術館のホントご近所)。彼は日記に、「京の春は又なく美しい。まるで浮世絵である」と書いていたほど、京都を愛していたのだとか。なんだか嬉しくなりますねぇ。しかも、古美術の蒐集で借財を重ね、祇園の茶屋遊びにものめり込んでいたそうですよ。

 

展示の中には、京都の地図の中に劉生に縁のある場所やごひいきにしていたお店…例えば三十三間堂前の「わらじや」さんや南座前の「レストラン菊水」さんなどを示したパネルもあり、より親しみが湧いてきます。

 

そんな“京都時代”には、日本画を盛んに制作。それらの作品は、「油彩画家でありながら、こんな軽妙洒脱な日本画も描けるなんて!」と才能の豊かさに驚かされます。京都の街がしっかり影響をもたらしたのではないでしょうか!

 

そんな京都時代の数少ない油彩画の一つであり、劉生の生涯の友、武者小路実篤が「鵠沼時代の傑作と言われる麗子像より、うまさと、鋭さでは一歩進んでいる」と称賛した作品がこちらの舞妓図です。

 

■岸田劉生 《舞妓図(舞妓里代之像)》 1926(大正15)年、京都国立近代美術館

そして、劉生が最後に住んだのが鎌倉。京都での遊蕩三昧の生活を反省し、一家で移転します。さらに、洋画家として心機一転を図るためのヨーロッパ旅行の資金を稼ぐべく、満州の大連へ。

 

■岸田劉生 《大連星ヶ浦風景》 1929(昭和4)年、京都国立近代美術館

 

そこで描かれた、明るくて、力強くて、のびのびとした大連の風景画です。

でも、疲労と暴飲で体を壊して約2カ月で帰国。そのまま38歳という短い生涯を終えました。

 

駆け足でほんの一部を紹介しましたが、作品を鑑賞しながら、明治から昭和の時代を生きた劉生の人柄と生涯もたどることができ、ドキュメンタリーかドラマを観たような印象すらある、濃い内容の展覧会でした。

 

なかなか遠方へ出かけにくい今、時代と空間を超えて劉生の足跡に思いを馳せることができる展覧会、おすすめですよ。

 

「新収蔵記念:岸田劉生と森村・松方コレクション」

会期は3月6日(日)まで。

詳細は、公式サイトをご覧ください。

https://www.momak.go.jp/

 

スポット情報

店舗名 京都国立近代美術館
住所 京都市左京区岡崎円勝寺町26-1
電話番号 075-761-4111
営業時間 9: 30~17:00、金曜、土曜は20:00まで
入館は各閉館の30分前まで
休館日 月曜日
交通 ・京都市営バス「岡崎公園 美術館・平安神宮前」下車すぐ
・地下鉄東西線「東山」駅下車 1番出口より徒歩約10分
お問合せ先 075-761-4111
ホームページ https://www.momak.go.jp/

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