おでかけ

2019.04.01

 

伝統芸能発祥の地で春を満喫

 

川へと美しく垂れている桜の根元には、「かにかくに碑」と駒札があります。

 

 

かにかくに 祇園はこひし 寐(ぬ)るときも 枕のしたを 水のながるる

 

 

 

刻まれている歌は、祇園をこよなく愛した歌人・吉井勇の一首。

詠まれた明治43(1910)年当時は、白川の両岸にお茶屋が建ち並び、建物の奥の間が川の上に突き出していたため、その情景を言葉で写し取っているのです。第二次世界大戦時、空爆疎開の対策として白川北側の家々は強制撤去。歌碑が建つ地にあった茶屋「大友」も犠牲になったと伝えられています。同店に多く集っていた文人・画人たちによって吉井勇の古稀の祝いとして建立された歌碑の前では、毎年11月8日に「かにかくに祭」が行われているので、一度足を運んでみるのも一興でしょう。

 

 

その「かにかくに祭」で献花を行う芸舞妓はんたちが日々磨いた芸を披露する場として知られるのが祇園甲部歌舞練場です。現在は、耐震工事中のため本館は一時休館中ですが、建物の前に植えられた桜を愛でることができます。

 

 

休館に伴い、春の風物詩として長年親しまれている「都をどり」は、本日4月1日(月)~27日(土)の期間で、南座にて開催されています。南座での上演は、実に67年ぶり!

 

 

昨年11月に生まれ変わったばかりの南座は、年の瀬の吉例顔見世で知られ、400年の歴史を誇る日本最古の劇場。歌舞伎発祥の石碑が建ち、近くには歌舞伎の祖である出雲の阿国像も。

公演のために掲げられた一文字看板は、一昨年、昨年と会場になった京都造形芸術大学とのコラボ制作。さりげないご縁によるものづくり、まさに京都らしい限りでございます。

 

この時季の京都は、どこもかしこも桜ではなく人の頭を眺めている錯覚に陥りがちですが、祇園白川であれば川に向かってすてきな写真が撮れますので、広~く深~いお心でゆっくりと花逍遙をご堪能ください。

短気は損気! くれぐれもお気をつけて。夜の花街へおこしあれ。

 

 

▲祇園で最も多くの人にあふれている花見小路で、椿屋を探せ!

 

▲人人人人人人人人私人人人人…………

Information
店舗・施設名 祇園
住所 京都市東山区
交通 京阪三条駅・祇園四条駅より徒歩5分
ホームページ https://www.gion.or.jp/
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