まだまだうまくなるはず。スープはいまなお進化中!
話は開店前、今年の7月頃に遡ります。
鴨専門店を開くことが決まると、久保田社長と料理長のメニュー開発の日々が始まりました。何もしなくても倒れそうなほど暑かった今年の7月から、大鍋を前に鴨のスープ作りに取り組みます。ああでもない、こうでもないと試行錯誤を繰り返し、くらくらするほど鍋の前に立った後に辿りついたスープ(暫定)には…
「日本酒が4升入っています!」
ええっ! 社長、それはいくらなんでも…!
「自分が“うまい!”と思うものを作りたくて」
その気持ちはわかる。しかしさすがに4升は多いでしょう、4升はっ。
「はい、でも食べてみてください」
と、出された「鴨鍋(しょうゆ)」がこちら!
鴨、めっちゃネギしょってますやん!!
■きれいに刻まれたてんころもりの白髪ネギは、インパクト大!
「野菜も色々試したんですけど、結局“ネギ”と“鴨”のシンプルなのがベストだな、と」
鴨は新鮮なものを一度凍らせてお店でスライス。こうしないと身と脂が分離してしまうのだそう。でも肉自体は生でもいただけるほど新鮮なものです。
それに鴨肉100パーセントのつみれは、先ほどいただいたつくねとは異なる味付けがされています! 久保田社長の手も借りて、さっそくスープを温めて…。
■スープは鴨のズイを煮立たせず、時間をかけて炊いています。
そして具を投入!
■具は、白髪ネギ以外は豆腐にあげといたってシンプル。でもこれがいい。
スープが煮立ったらネギをくるりと巻いて、イタダキマス!!
■鴨はさっと色が変わるくらいでOK!
う・ま・い!
久保田さん、いいよ、これ。シャキシャキしたネギがこんなに鴨と合うなんて。
鴨葱って、昔の人はウソは言わないね! スープに酒4升だっけ? いいよいいよ、うまいよ! スープ作りに酒4升、に怯んだものの、スープの旨さにあっさり兜を脱ぎました。うまければ、それでいいんです。
鴨のうま味が口いっぱいに満ちたところで、松竹梅「豪快」の熱燗をきゅっと一杯。
鴨鍋に熱燗。この組み合わせは、これから寒くなると、ますます旨くなりそうです。
■山椒や七味も、ぜひお試しを。鴨鍋によく合います!
「冬の間は、期間限定で酒粕の鴨鍋も用意しています。酒粕が、鴨を柔らかくしてくれて、旨いですよ」
■〆の蕎麦も、鴨のうま味がしっかり絡み、あっという間に平らげてしまいました。
オープンから約10日。
味も、メニューもまだまだ進化中。
ランチもやっていて、卵丼や鴨ミンチの煮込みハンバーグがいただけるほか、鴨南蛮カレーなどもラインナップ。
「カレーは、カレー粉のブレンドからやってますので!」
久保田社長、どうやら根っから食べることが好きみたいです。
「自分の好きな味がこの店のコンセプトなんで」
もちろんそれだけでなく、英語のメニューを用意していたり、スタッフ全員、英語が話せたりと、新たな京のおもてなしにも対応しています。
飲食業をじつげんするという夢を叶えた「京・鴨料理 はじめ」は、“はじめ”の第一歩を踏み出したばかり。
でも応援したくなるこだわりが、わずか9坪のスペースに、弾けそうなほど詰まっています!