野村證券などの創業者であり、一大金融財閥を築いた二代目野村徳七(1878-1945)は得庵と号し、実業家として活躍するかたわら多くの趣味を嗜みました。とりわけ茶の湯と能楽に深く傾倒し、晩年にはそれらは趣味の域を超え、事業とともに得庵の心の中では三位一体となっていたのではないかと考えられます。
今回の展示では美術館開館40周年を記念し、得庵コレクションのなかから名品をよりすぐって展示し、得庵が目指していた茶の湯がどのようなものであったかを感じ取っていただけるよう構成しています。
《主な展示作品》 ◎:重要文化財 ○:重要美術品
[前期] ◎清拙正澄筆 秋来偈頌・〇伝珠光筆 山水図・伝藤原佐理筆 筋切通切・砂張釣舟花入 銘 淡路屋舟・青磁珠算玉花入・古染付鯉耳付花入 銘 高砂・乾山 鑓梅香合・南蛮毛織抱桶水指・〇文茄茶入・仁清 長肩衝茶入 銘 存命・豊臣秀吉共筒茶杓・樂長次郎作 赤楽茶碗 銘 獅子・本阿弥光悦作 赤茶碗 銘 角倉光悦・◎千鳥蒔絵面箱(3/4-3/26) 等
[後期] ◎佐竹本三十六歌仙 紀友則(4/29-5/14)・◎雪村周継筆 風濤図(4/29-5/14)・◎宗峰妙超筆 白雲偈頌・◎伝紀貫之筆 寸松庵色紙・千利休作 亀甲竹花入・伊賀塁座花入・仁清 色絵菊花文水指・後窯利休茶入 銘 地蔵・高台寺蒔絵棗・鼠志野茶碗 銘 横雲・織部暦絵茶碗・〇樂道入作 赤楽茶碗 銘 若山・〇能面 竜女(4/29-5/14) 等