今春の高台寺、圓徳院、掌美術館は、ネコトラ尽くし!
京都屈指の実力画家・藤井湧泉(ふじい・ゆうせん)が、京都の高台寺・圓徳院・掌美術館で新作を中心とする展覧会を行います。特に、寅年の2022年に満を持して送るヴァラエティ豊かな龍虎図が見どころです。ぜひ、災いを払う龍と癒し系の虎に会いに来てください。
藤井湧泉は、1964年中国江蘇省啓東市生まれ。気鋭の画家として20代から北京服装学院講師を務めた後、1992年に来日して日本人女性と結婚し、京都を拠点に約30年間活躍しています。「湧泉」の画号は、哲学者梅原猛氏の命名によるものです。2010年に圓徳院に《蓮独鯉》、2019年に高台寺に《妖女赤夜行進図》を奉納した他、一休寺、西大寺、相国寺、金閣寺、林光院等の日本を代表する古刹名刹に作品が収蔵されています。
「龍虎図」は、天地を統べる聖獣同士が相対して森羅万象を活気付ける縁起の良い画題。禅寺には馴染み深い吉祥図ですが、湧泉の龍虎図は一味違います。禅の境地を表現する別の画題として、三聖人と呼ばれる豊干、寒山、拾得が虎と仲良く眠る「四睡図」があります。湧泉は、「四睡図」から抜け出してきた虎を「龍虎図」で描いているのです。