vol.1 変わりつつある酒と食の楽しみ方
vol.2 ケ・ハレの食卓の演出

◆日本人の「酒と食の楽しみ方」の現在 vol.2◆
ケ・ハレの食卓の演出

■週末・休日は平日よりも、何を飲 み、何を食べるかを意識する

 普段の生活の中で、酒と食の組み合わせをどのように意識しているのか。平日、週末・休日、記念日・誕生日という3つのシーンについて、それぞれの日の夕食における酒と食の組み合わせについて聞いてみた。
 まず、何らかの形で「意識している」人の割合は、平日の夕食では53%であるが、週末・休日の夕食では69%に増え、記念日・誕生日になると81%となる【グラフ5】。


 

 記念日や誕生日は、いわば「ハレの日」で ある。普段はあまり飲まないお酒や、特別なメニューの夕食が食卓にあがることは想像に難くない。
 ここで目をひくのは、週末・休日である。記念日や誕生日ほどではないにせよ、すでに平日とは明らかに意識が異なっている。やはり家族が揃い、食卓を共にできる休日は、当然のことながらハレの日ほどではないが、ケの日(平日)とも違った独自のあり方がうかがえる。そのような意識は、ここでも男性より女性のほうが強い。


■酒は料理とともに

 実際の味わい方の具体的な内容については「料理と酒をそれぞれ別々に味わう」 「料理と酒の組み合わせを楽しむ」「料理を味わうために酒を飲む」「酒をおいしく飲むために料理を食べる」の4つの選択肢を用意したところ、シーンにかかわらず「料理と酒の組み合わせを楽しむ」と「料理を味わうために酒を飲む」が多い【グラフ6】。「料理と酒をそれぞれ別々に味わう」や「酒をおいしく飲むために料理を食べる」はあきらかに少数派である。すなわち、「酒・食分離」あるいは「酒主・食従」ではなく、「酒・食対等」の意識が強い。


 酒は「酒のつまみ」という言葉が象徴するような肴を従える存在から、料理と対等に、あるいは料理を含めた食卓全体をひきたてる脇役として楽しむものとなっているようだ。


■ハレの日は食卓の演出にも気を配る

 次に、「メニューの盛りつけ」「食器・酒器」「食卓の飾りつけ」などの食卓の演出を実際にはどの程度行っているのか、前と同じように平日、週末・休日、記念日・誕生日の3つのシーンで比べてみた。
 演出の工夫があるのは、やはり平日よりも週末・休日が多く、さらに記念日・誕生日が多い【グラフ7】。特に記念日・誕生日では、全体の77%が何らかの演出に気を配っている。男女を比べると、ここでも女性のほうが、工夫をしている傾向があった。具体的な演出内容は、「メニューの盛りつけに凝る・こだわる」がどのシーンでも最も多く、記念日・誕生日では全体の過半数の52%がそのように回答している【グラフ8】。


 
 それぞれの家庭で、ハレの日には特別な料理を用意し、それに応じて酒を吟味し、さらには食卓の演出にあれこれと工夫を凝らす姿が浮かび上がってくる。



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