白川沿いの石畳の道をそぞろ歩く
今回は四条通りから縄手通りを北へ入って歩いてみましょう。飲食店の間に骨董の店などが並ぶこの界隈は、お茶屋さんの並ぶ花見小路とはまた違った雰囲気をかもし出しています。夕暮れ時からは活気があふれ、賑いを見せ始めます。400〜500mほど歩くと、橋の下を流れる白川が見えてきます。川の手前のビル2階にあるのが、女性の髪形の変遷が一目でわかる「日本髪資料館」。舞妓・芸妓さんの髪を結い続けてこられた石原哲男さんが開いた私設資料館です(→マメ知識)。
白川橋を渡り、右手に曲がって川沿いを歩きます。澄んだ水に鯉が群れ遊ぶ白川のせせらぎ沿いに続く石畳の道は格好の散歩道。春にはメイヨシノや枝垂れ桜が咲き、多くの花見客の目を楽しませてくれます。
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巽橋の手前、一本の枝垂れ桜の下に、吉井勇の有名な「かにかくに」碑が建っています。「かにかくに祗園はこひし 寝るときも枕の下を水の流るる」。これは祗園を限りなく愛し、『祗園双紙』『祗園歌集』などの歌集で知られる歌人・吉井勇の有名な歌碑。川沿いには、千本格子のお茶屋や旅館が建ち並び、祗園情緒が漂っています。ここには、吉井勇が愛した祗園のよき風景が今も残っているのです。ちなみにこの碑は、吉井勇の古希を祝って建てられたものだそう。11月8日には碑の前で「かにかくに祭」が開催されます(→マメ知識)。
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左手にある小さなお社は巽明神。その昔、芸妓さんたちを化かしては楽しんでいたというタヌキが祀られているとか。いかにも祗園らしく、芸事上達にご利益ありの神様で、舞妓さんや芸妓さんがお参りに来るとか。
巽明神から左に伸びる小さな通りが新橋通り。昔ながらの造りの茶屋が軒を連ね、祗園情緒が色濃く残る通りで、重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。美しい千本格子に二階にはよしずが掛かる茶屋の、建物一軒一軒をじっくり見て歩けば、新鮮な発見がいっぱいあるはず。屋根の上に建って家を災厄から守っている鍾馗(しょうき)さまの姿もそれぞれの家によって特徴があり、興味をそそられます。夕暮れ時にそぞろ歩きしたい……。そんな通りです。
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穂波
ほなみ
2005年9月閉店されました。
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白川南通界隈への交通
京阪電車「四条」駅→徒歩約3分
市バス「祗園」→徒歩約3分 |
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