「出世稲荷」という、誰もがあやかりたい名前を持つのがこの神社。しかも開運出生・衣食住・地位名望・衆人愛敬・農工商その他一切の生業に大繁栄・延命長寿と病気平癒・千客万来・武運長久・善知識・金銀財宝と、何と10種類もの福が授かるというのもうれしい。
 出世といえば誰もが真っ先に思い浮かべるのが豊臣秀吉。秀吉は幼い頃から稲荷五社の神を信仰し、いつしかこの五柱の神様が一柱の大活神になって、自分を守護してくれると考えるようになったとか。それ以来、やることなすことすべてがうまくいき、ついには天下統一を果たすことになった。関白太政大臣の座に就いた秀吉は、天正15年(1587)、聚楽第の造営の際に稲荷社を勧請。翌年には時の帝・御陽成天皇が聚楽第に行幸し、盛大な催しが営まれた。このとき稲荷社に参拝した天皇は、この神社に「出世」の称号を与えたという。その後、この出世稲荷は公家や大名の開運出世祈願の社として栄え、聚楽第取り壊し機に寛文3年(1663)この地に移された。江戸時代中期には隆盛を極め、鳥居の数も329本に達したとか。社殿の規模は小さくなったが、今も人々の信仰は変わらず、多くの参拝者で賑わう。

 
市バス「出世稲荷神社前」下車すぐ

間もなく節分。出世稲荷神社では節分の日にだけ授与される厄除け開運のお守りが人気。これは魔除けのヒイラギを挟んだ竹をつけた出世鈴。普段の出世鈴以上にご利益あり、このお守りを求める人で境内が埋め尽くされるほど。限定ものは神社でもすごい人気。

このお守りだけでなく、ほかのお守りも基本的には一年が“保証期間”。つまりただ持っているだけではだめ。毎年感謝の心を込めて、新しく授与していただくのが基本なのだ。
 
 
 

参拝後に味わう“出世”いなり寿司

●所在地 上京区線本二条下ル聚楽町8523
●電話 075-821-0080
●営業時間
11:00〜21:00
●定休日 第1・3火曜休
うどんのこしは讃岐でのど越しがよく、やや細目を基本にした手作り。基本のだしは、5種類のカツオと利尻昆布でとり、添加物は一切使用しない関西風味。おすすめはプリプリの小エビやサツマイモなどの野菜がたっぷりのかきあげがのったかきあげうどん。(小鉢とのセットで850円)
ここでもうひとつ味わいたいのが、神社の名前にあやかった出世いなり寿司。神社を参拝し、ここでおいなりさんを食べれば運勢もグンとアップしそう。大きな梁のある天井やテーブルなど田舎の古民家をイメージした店内が落ち着ける。奥にはやはり民家の囲炉裏端を思わせる座敷もある。
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