八坂神社の南、東山通
から枝垂桜で知られる円山公園へと続く小道を入ると、「ゆ くらしな」と染め抜いた赤い暖簾が目に止まる。京料理・割烹を看板にして10年を経たところだが、夫婦二人で切り盛りしていて、「お風呂屋のようにゆっくりした気分で京料理を味わってほしい」と店名にゆを冠し、祇園にあっても構えたところがないのがいい。白木のカウンターに座れば、見事な包丁捌きや丁寧な仕事の数々が目に出来る。しっかりとっただしで煮含められた京野菜や蛸、頃合いを見計らってすすめられる蒸し物、油物。毎日書き替えられるお品書きは、いち早く季節を告げる品ばかり。この店の料理は見た目も味も淡く、口当たりが柔らか。口に運べば素材の滋味、だしの味が次第に口の中で広がり、旨さがじんわり伝わってくる。一品も揃うが、おまかせは夜6,000円〜。 |
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ご夫婦の温かいもてなしが、一人で来る客をもほっとさせる。時には舞妓さん連れの客も訪れ、華やいだ雰囲気になる。 |
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