清和天皇の貞観11年(869)、今の平安神宮蒼龍楼(そうりゅうろう)の辺りに創建された西天王社が須賀神社の始まり。後に兵火を避けて、吉田山に590年間鎮座されたが、大正13年にこの地に社殿が造営された。祭神に須佐之男神(すさのおのみこと)とその妻の櫛稲田比賣神(くしなだひめのみこと)を祀り、縁結び・学問・諸事必勝・病気平癒の神様として親しまれている。
 境内にある交通神社は、須賀神社に合祀されていた八衞比古(やちまたひこのみこと)・八衞比賣神を分祀し、昭和39年に建立された。八衞比古・八衞比賣神は夫婦で、外部から侵入してくる邪神・魑魅魍魎(ちみもうりょう)を防いでくれる神様。交通や旅行の安全、旅館業の守り神として信仰されているところから、神社も「交通神社」と名づけられた。


市バス「熊野神社前」下車、徒歩5分


懸想文売りは、烏帽子・水干姿に覆面という不思議な出で立ちをしている。そこでその理由を伺うと、「昔、この辺り一帯には大根などの畑が広がっていました。当時の農民は字が書ける人が少なかったので、懸想文などは当然代筆になります。それを代筆したのは、実は御所に仕えるお公家さんだったのです」と宮司の佐師さん。このラブレターの代筆業がいつしか懸想文売りにと変化していった。つまり懸想文売りは、家柄はよくてもお金には困っていた公家たちのアルバイトだったらしい。だから顔がばれないように覆面姿だったというわけ。「旧暦の2月というと、支払いなどで一番お金のいる時期でしたしね」。なるほど納得! そんな話を知ると、より興味がわくよね。
 
 
 
須賀神社からの帰り道、ふと見つけた小さなお店。商品はちりめん山椒630円〜のみだが、ここのはちょっとひと味違う。じゃこと山椒を炊き込んで作るちりめん山椒は、普通なら茶色っぽくなるはずなのに、見た目はおじゃこそのままの自然の色なのにびっくり。口に含むと、何ともやわらかいじゃこに、美山で採れた山椒がピリッとこれまたやわらかい。もちろん添加物は一切使われていない。「美山工房という小さな工房で手作りしているんですよ」とのことで宣伝はまったくしていないが、京都に来る度に買い求める地方の客も多いとか。2種類のじゃこ山椒セット2,000円〜がおすすめ。電話で申し込みば地方発送もしてくれる。あつあつの炊きたてご飯にのせて味わいたい。
●所在地 京都市左京区聖護院山王町13
●電話 075-761-4000(FAX同じ)
●営業時間
10:00〜18:00(売り切れ次第終了)
●定休日 毎月24日ほか不定休あり
●URL http://www.moemi-kyoto.com
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