●歴史の街、宇治 |
京都府の南部に位置する宇治市。10円硬貨のモチーフにもなっている平等院や日本でもっとも古い神社建築とされる宇治上神社、二つの世界文化遺産を有する。紫式部作「源氏物語」、宇治十帖の舞台としても有名で、約五年前には「源氏物語ミュージアム」が建設された。
中心を流れる宇治川沿いにはさわらびの道・あじろぎの道、といった遊歩道が整備され、源氏物語ファンの若い女性や多くの観光客でにぎわっている。数々の歴史的価値の高い建造物や物語に恵まれたこの土地に、なんと800余年も前から続く茶の店があるという。百聞は一見に如かず、早速うかがってみることにした。
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●茶房、通圓 |
本店横にある茶房では、茶問屋ならではのおいしいお茶とお菓子、そしてお食事をも頂くことができる。この季節のおすすめはまず、抹茶ぜんざい(¥680)。丹波産の大納言小豆を使用した粒あんの上に、一品ずつこころを込めて点てられた抹茶を掛けて白玉を浮かべられている上品な逸品。白玉のなんとも言えないもちもち感と、大納言の粒あんの程よい甘さ、それをまとめるのはすっきりとした飲み口の抹茶。一品で二度も三度も美味しさを味わうことが出来る。
あたたかいものを頂いた後のデザートとしては、抹茶パフェがおすすめ。たっぷりと使用された抹茶とバニラのアイス、大粒の栗、生クリームなど、一読すると甘みが強いものばかり、と感じるが、実際に口にすると以外に甘さ控えめ。あっさりといただくことができる。
こちらのお店では、器にもこだわりが。器は全て、宇治市在住の陶芸家、魚雲窯・山本重行氏の作品。上品なかわいらしさがあると同時に、実際に使用するときにも使い勝手の良い大きさ、重さが心地良い。今回、パフェを頂いた器は、ウサギ柄のほかにも、数種類の柄があるそうで味わうと共に器を楽しむ喜びもある。
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●おみやげにぜひ |
本店ではもちろん茶を買い求めることも出来る。お茶を買う時は個人の好みもあるので、遠慮無くお店のスタッフに相談することをお勧めする。お通さん、武蔵など、お茶のネーミング一つにも通圓の歴史を感じさせるものが多数あるので、そのいわれを考えつつ選ぶのも楽しいかも知れない。
ちなみに私のお薦めは、『かりがね煎茶 お通さん』。
やさしい甘みがあり、まろやかな舌触りで大変飲みやすいお茶。
さっぱりしたお茶が好きな方は『武蔵』。
きりりとした味わいで、さっぱりと飲めること請け合いである。
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