| ●街中を少し外れて |
 京都の中心を流れる鴨川。阪急河原町駅を出て、木屋町通を四条から南へ。
三条から四条の間の雑多な雰囲気とは違い、人通りも少なく車の通りもない。
夜はそれなりの賑わいが見られそうだが、昼間は静かなものである。五条通りを南側へ渡って橋の西側、鴨川と高瀬川に挟まれた三角州のような場所に立つビル。そこが「efish」。店の前には大きな楠が豊かな葉を茂らせている。 |
| ●カフェでありショールームであり |
 「Cafe
and Products」と名のつくとおり、オーナーはプロダクトデザイナーで、このビルの3階をオフィスにされている。
廃ビルをリフォームしたと言う建物は、入り口が１枚ガラスで、その横にテラスがあり、窓が開け放たれていて開放的な印象である。
店内に入ると、鴨川に面する側が天井から床まで１面窓になっていて、窓の外には、鴨川の流れが広がる。
窓際の席に座れば、天然の動くパノラマを眺めることができ、なんとも贅沢で豊かな気持ちになれる。天井や壁には、あえて装飾はなくシンプル。
使われている家具や、食器類は、オーナー自身のデザインであると言うからこのビル全体がカフェでもあり、オフィスでもあり、ショールームでもあるようだ。
1階はカフェスペース、2階は夜になるとバースペースになる。キッチンは両フロアにあり、それぞれ違った趣で作られている。
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 1階のキッチンのカウンタ部分には、小さな水槽が埋め込まれていて、中に金魚が泳いでいた。手前のガラステーブルと水槽とが微妙なバランスでひとつの景色をつくり出している。
階段の裏側にあたる大きな壁は黒板に見立てられ、グリーンにペイントした上にチョークでメニューが描かれている。そのひとつひとつがユニークでかわいらしい。
2階はグッと落ち着いたイメージで、照明も控えめで暖かな光を放っている。
奥にはオーナーがデザインしたプロダクト商品やこだわりのグッズが展示、販売されている。 |
| ●暖かいケーキ？？ |
 細長いアクリルに描かれたおしゃれなメニュー。
ドリンクはコーヒー・紅茶・フレッシュジュースなど約20種。中でもフレッシュフルーツを使ったジュースは見た目もカラフルで楽しい。
ケーキの種類は多くなく、定番のチーズケーキとくるみのケーキの他、日替わりで約3種。この日はオレンジケーキになっていた。
 チーズケーキをオーダーするとガラスの器に入って出てきた。スフレタイプのふんわりとしたケーキの上に、ゆるくホイップされた生クリームが乗せられている。器に触れるとほんのり暖かく、ゆるゆると溶けはじめた生クリームと一緒に口に含むと舌の上でふんわりととろけていく。生クリームには砂糖が入っていないので、チーズの風味と濃厚なミルクの風味が混じりあって、おなかの中が温まっていくような気分になる。ケーキ自体も甘くはないので、あっと言う間にたいらげてしまった。
ケーキの他には、サンドウィッチやパンを添えたスープ、カレーなどフードも様々。それほどボリュームもないので、ランチの後ゆっくりとケーキも楽しめる。 |
| ●街の喧騒を眺めながら |
店内ではBGMがかすかに流れている程度で、その他は窓の外から入る自然の音でいっぱい。鳥の啼く声や葉ずれの音、遠くで車が通る音、そして何よりも窓の外の風景が素晴らしい。
時間の許す限り陽の光のうつろいをのんびりと夕暮れ時まで眺めていたいものである。そして夜はまた、チラチラと光る街の明かりを遠くに眺めながらゆったりと贅沢な時間が過ごせるのだろう。
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