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この夏、8月4日 日本の偉大な食いしん坊で、
多方面で活躍された渡辺文雄さんが亡くなられた。
北さんの本に寄せた渡辺さんの言葉を紹介したい。

・・・・私が京都に行ったときは、いつも、めし案内は北さんです。
北さんの行きつけの店へ連れていかれます。そしてそこで食べ終わった時は、
いつだって上機嫌になって「美味かった、美味かった」を連発してしまうのです。・・・・
「教えて喜ばれた京の味100」より

このコーナーで紹介しているお店は
渡辺さんもよく行かれた店が多いが
今回は、そんな渡辺さんもご存じなかった
北さんの最近見つけたお気に入りのお店を紹介する。

ちょっと前に近所に店ができて
“地鶏らーめん”の看板があがった。
どうも北さん、最近ここにはまっているようだ!

ならば、ということで会社から歩いて2分の
“いさ美人”に向かうことにした。

   
■この店の特徴は?

「北さん 何にはまっているんですか?」
「いやね!ここの素材へのこだわりです。
ここまで素材にこだわっている店は久しぶりです。
しかも値段も手頃です。これはおすすめの価値があります」

北さんの紹介するところは
歴史があって、名の通った店が多いのかと思ったが
以外にも新しいところの開拓も欠かさないようだ。
さすが!食いしん坊は進化するんだ!

■鶏の刺身!?

いやこれは意外なものが出てきた。
あまり経験のない食べ方なので少し戸惑う。
正直、私は鶏が苦手だ。
結構曖昧な基準ではあるが・・・
皮は、ケンタッキーならOKでも水炊きはNGだ。

きも、もも、むね、すなずりの刺身盛り合わせ。
生姜とたまり醤油で食べる、もも、むねもいい!
ごま油と塩にねぎを添えて食べる“きも”・・・旨い!
鹿児島から地鶏は毎日送られて来るそうだ。
これが鶏かと納得する!

■焼鳥の本道を賞味する。

「塩焼きは、皮、すなずり、手羽先を
タレは、鳥ねぎ、すきみ、つくねを」
最近とは言え、北さん、どうもずいぶん通っているようだ。

皮は今まで食べたものではない・・・これはイケル!
手羽先は、しっかり肉が硬い、でもそれが旨い!
すきみは私のお気に入りの一品になった。
鳥ねぎは焼鳥の本道である・・・しっかり旨い。

ここの店は昨年の12月にオープンしたそうだが
それまでも近くの円町で10年ほどやられていたそうだ。
実は、通い詰の北さんも知らなかったようだ。
でも今はすっかりお馴染みさんだ。

さて、鶏以外に黒豚のメニューがあったので
豚も旨いに違いないと、薩摩黒豚の塩焼きを頼んだ。
これがその薩摩黒豚の塩焼きだ。
食べた・・・黒豚は口の中で溶けた!
私たちは鶏のことを忘れ、黒豚に夢中になった。

「豚の角煮 黒豚とんこつ」北さんの注文は素早かった。
角煮は想像していた通り・・・いやそれ以上かもしれない。
「脂は白身と思ってください」
ご主人の言う通りだった!
旨かった!
とんこつはしっかりとした味でこれもまたいい。


■鶏に戻る  

「鶏のからあげと地鶏のたたきもお願いします」
「後で今日は鍋も頼んでいます。ちょっと多いよ」と北さん
「大丈夫!ここは町内会です!」
会社は近い、食物につられ応援隊はすぐに駆けつけた。

私は、どうしても定番メニューと素材が活きる一品を味わいたかった。からあげはまったく違う味と食感。たたきも歯 ごたえのある一品だ。とにかく、鶏に対する意識が根底から砕け散った!

■鍋と雑炊
白い独自のスープで炊く鍋にも感動だ。
9月中旬から3月頃までの予約メニューだそうだが歯ごたえのいい鶏はもちろん、なんといってもスープがいい。
食べ終えて、このスープでつくる雑炊は実に旨かった。

「鶏がこれほど旨いもんだとは思わなかったな・・・」
「いいでしょ!」と北さん
■昼の地鶏ラーメン

いさ美人では、昼に地鶏ラーメンを出しているが
昼のメニューはそれだけ。ご飯と一品がついての定食。
私はこのラーメンをどうしても食べたくなった。
この鶏なら、きっと絶品スープに違いない!
・・・・実食・・・・
お見事!・・・期待は裏切らなかった。
■店情報
店名 いさ美人
住所 京都市中京区西ノ京船塚町18-23
(御前御池上がる50m東側)
電話 075-822-8223
定休日 昼・・・日曜・月曜 夜・・・月曜 
営業時間  11:30~13:30
夜 17:00~24:00
   
・・・・あとがき・・・・
北さんの事務所が私の会社の横にあった時は
「遠くへ行きたい」でお馴染みの渡辺さんを見かけることがあった。
残念なことだが、京都の良き理解者が遠くに旅立たれた。
心よりご冥福をお祈りいたします。

案内人)北 俊彦  文)八田雅哉  写真)北住邦彦