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北さんの新年会に乱入!


2005年の最初の取材は、北さんの新年会に乱入だ。
それは、北さんの学生時代の同級生の方が集まる会。
もちろん、私は年代も違うので、当時の接点はない。
普段なら失礼な飛び入りなどしませんが 場所が場所、
料理が料理です。
店は「大市」!料理は「すっぽん」。
すっぽんを食べたことのない私は、
無礼を承知で参加した。
歴史を感じさせる玄関横の部屋
江戸中期の創業

京都は確かに歴史のあるところだが
それにしても、創業が江戸中期とは驚きだ。
しかも当時から料理のスタイルは変わらず、
「すっぽん」一筋だそうだ!
噂によれば、あの美しい叶姉妹は
週一回は「すっぽん」を食べているそうで、その根拠はともかく、 「すっぽん」=「滋養強壮」→「若返り」などと連想してしまう。
そんな私の勝手な連想もあって、今回は、初デートのように 「すっぽん」との出会いにワクワクしてしまった。
ここのメニューは「○鍋(まるなべ)」コースのみ
大市さんの調理場

「ここのメニューは○鍋だけ」と北さん。
「○鍋って何です?」
「すっぽんを○(まる)と呼ぶんです」と北さん。

お店の配慮もあり、○鍋のかかる調理場を拝見できた。
ご覧の通り、現場はえらいことになっている!
ゴーゴーと音をたてて土鍋を炊き上げる炎は圧巻だ。
奥の鍋は、炎の中で真っ赤になって煮えたぎっている。

新年会の皆さんと○鍋
○鍋登場!

調理場の撮影を終え、二階の座敷に戻ると
間もなく、あの○鍋が運ばれて来た。
「みんな動かんとじっとしといて!」と北さん。
底が真っ赤に焼けた土鍋からは、柱とでもいうような湯気が 立ち上がり、その根元の様子は確認できない。
湯気を掻き分けながら、私は鍋の中を覗き込んだ。
先付けの品で、多少すっぽんの前知識はできていたが
鍋の中には、その複雑な形の骨付き肉がいっぱい入っている。
その姿は素朴で力強く、「これは!」と期待が膨らんだ。


※ここでお断りをするが、大市さんに関する情報はこのデジスタイルのサイトの中でも紹介されているし大市さんのホームページも大変充実しているので今回は、あくまで私流で話を進めさせてもらう。

(左上) 先付け (右下) ○鍋
(左上) すっぽんのスープ (右下) すっぽんの肉

さて、いよいよ実食だ!
手際よく、仲居さんがスープを取り分けてくれる。
そして、すっぽんの肉もご覧のように取り分けてくださる。
「熱いので気つけてください!」と仲居さん。
私は素直に「はい」と答え、そのスープを口にした。
コクがあって旨い!肉も見た目と違い、
さっぱりして癖はない!
「残りのスープもお召し上がりください」と再び仲居さん。
土鍋の余熱で煮詰まったスープは
さらに濃厚になっていた。

「みんな、もう一回同じもんが来るしね!」と北さん。
二度に及ぶ○鍋の攻撃に、私は若返りの確信を得た!?

三度目の攻撃

 
三度目の攻撃は、「すっぽん雑炊」だ。
人数分の卵が浮いた鍋の中に、
すっぽんのスープがたっぷりと入っている。
各人に卵を別けるか、中で混ぜるかの後者を選択し
季節の香物と一緒にいただいた。
卵が貴重な栄養源だった頃を体験した私にとって、
この組み合わせは、史上最強のタッグとしか思えない!
実に香ばしい味のおこげだった。
絶品の雑炊を食べ切るのには、時間はかからなかった。
にもかかわらず、前述した土鍋の威力で
底には「おこげ」ができた。
「これがおいしんです!」と北さん。
その通り、これもまた美味だった!
・・・夢中で食べていたこともあり、
ふと、回りを見渡すと、皆さん少し若返っている!?

かくして、興奮と感動と期待?の○鍋はお開きとなった。

二次会への乱入  
Kenny’s Country にて

若返った北さん御一行は、
この後、同級生が出演するというライブハウスに向かった。
カントリーミュージックの軽快なリズムに
手をたたき、歓声を上げ、中には踊り出す人まで現れた。
バーボンのボトル2本を飲み干した北さんの新年会は
深夜近くまで大いに盛り上がった。
還暦近い皆さんと「すっぽん」の因果関係は定かではないが、女性の方々が、実に若々しく魅力的に見えたのは
「すっぽん」のせいではないことを付け加える。
■店情報
店名 大市(だいいち)
住所 京都市上京区下長者町通り千本西入ル6番町
電話 075-461-1775
定休日 毎週火曜日(変更あり) 要予約 
営業時間 昼 12:00~13:00
夜 17:00~19:30
ホームページ http://www.suppon-daiichi.com/

案内人)北 俊彦  文・写真)八田雅哉