「まるごと美術館」は上京区の寺社仏閣や町家にて伝統工芸やアートを展示し、寺社仏閣の特別拝観とアートの鑑賞・参加を同時に楽しめる複合型・地域発信型の展覧会です。
「まるごと美術館」は、もしもしアートの文脈ではなく、まちづくりから生まれました。運営メンバーのほとんどが京都で生まれ、京都で育ち、地元で商売をする人間です。私たちは、ガレージになる町家、衰退傾向にある寺院、祭事がなくなる神社、住民同士の接点の減少、シャッターが多くなる商店街、歩く人が少ない町、経済を支えていた産業が衰退していく地元に、地域「らしさ」がなくなる危機感を感じています。
このプロジェクトのミッションは、そんな町の現状を、文化的・経済的に豊かにすることです。
西陣織に代表される伝統工芸や、宗教都市京都の都市形成の歴史・由縁、そして寺社仏閣が持つ伝統や機能・文化財の価値、現在、町の商店や各場所で活動する人、広く地域資源と呼べるものに目を向け、アートの力を通してこれまでとは違う視点で、町の課題や掘り下げて見えてくる魅力を可視化・感覚化しています。
コーディネーターとなる私たちは、地域資源の魅力を引き出すため、お寺のご住職や、地域の伝統産業に関わる人とアーティストをつなぎ、場の力を最大限に引き出します。