「日本を代表する色は、何色をイメージしますか」と問えば、さまざまな答えが返ってくるだろう。その中で伝統的な日本の色と言えばやはり「赤と黒」。
日常の器にも、また、仏教や神道の世界にも「赤と黒」は欠かすことができない。
利休がもとめ、長次郎が生み出した樂茶碗もその代表、赤茶碗と黒茶碗である。
でもなぜこの二色を、利休と長次郎は選んだのだろうか。
そこにどのような思い、どのような思想、どのようなイメージが展開されているのだろうか。
本展では樂茶碗の中から特に代表的な赤・黒茶碗を選び、その問いの答えを探る。