≪今、残された偉大な美しい音楽、あらゆる境のない音楽が響く≫
三百年前にバッハはプロテスタントともカソリックとも決められない自由な信仰の上に美を遺した。バッハと同年、1685年に生まれた地中海生まれのD.スカルラッティはアラブや西欧、地中海の音楽、それに時代をさえ自在に行き来し音楽を生んだ。
その二百年後、地中海カタロニアに生まれ名曲「アルハンブラ宮殿の思い出」で著名なタルレガはその宮殿のようなオリエンタル、アラブ精神を尊敬しただけでなく、死の直前の遺言としての小品「エンデカとオレムス(ユダヤの祈りとカソリックの祈り)」のようにあらゆる境のない音楽を生んだ。
人間が遺した偉大な美しい遺産はすべてが「寛容」というガス、背景に包まれていると感じる。今、世界が不安や悩みや混沌に包まれる中、この「寛容」という何者かの愛を響かせてみたい。
< 出演 >
西垣正信(ギター)、村田まち子(朗読 ※朗読作品は「ジャン・クリストフ」)
< プログラム >
J.S. バッハ / 四つの前奏曲
BWV999(リュート前奏曲)
BWV1007(チェロ組曲一番)
BWV1006(リュート組曲四番)
BWV867
D.スカルラッティ / 九つのソナタ
K.54 K.491 K.141 K.466
K.322 K.9 K.146 K.462 K.175
F.タルレガ / オリジナルと編曲作品
(編曲作品)
メンデルスゾーン ヴェニスの舟歌
カンツォネッタ
アルベニス 朱色の塔 アストゥリアス
(タルレガ作曲作品)
アラビア奇想曲
夢 他