本年度、無鄰菴では「特別連続講座」として、明治時代の財閥などいわゆるパトロンたちが行った国内美術品の海外流出防止の活動から戦後の文化財保護の制度が成り立つまでを振り返り、文化財とは何かを今一度考え直す講座を連続開催している。
いつまでも変わらないものとしてまもり伝えられる「文化財」。
例えば国宝の阿修羅像から、能などの伝統芸能、果ては工芸技術まで、さまざまな形で今の日本文化のベースをかたちづくっている。
この無鄰菴も名勝というカテゴリの中で、お庭として国から文化財に指定されています。「文化財」が文化財になる過程には、日本という国が歩んだ近代の歴史がダイナミックに刻まれている。
今回は、現代へ日本の美術品を残すことに一役買った人物、好事家と呼ばれるコレクターたちについて掘り下げる。