Gallery G-77では、渡邉野子展「美しい経験-The Beautiful Experience-」を開催する。渡邉のコンセプトのひとつは「相容れないものが出会う一瞬間を絵画の美しい状態として表すこと」。「異なるものの対立は人生で絶え間なく起こる。それを軋轢や不調和として見るのではなく、互いが輝くためのもっともインタラクティブでアクティブな瞬間としたい。」と渡邉は考える。
今なお続く、新型コロナウィルスと共にある日常は、渡邉にとって「自由であること」について再考する日々となった。行動を見直し、他者との距離を探り続けることは、「自分が大切にしたいものによって、自分が成立すること」を目指したいと強く思うようになった。「美しいものが他者との関わりを豊かにしてくれる」ことを、今だからこそ確かめたいという思いが、この展覧会の根底に流れている。
自由な線と艶やかな色が絡み合う渡邉の絵画は「官能性を働かせて観ること」を求めている。「私の絵はわからない絵画です。絵画は理解するものでなく、経験し感じること。観る人が自らのクリエイティビティ発見するために、選択肢に満ちた場にしたい。」抽象絵画が、自由なアイデアで世界に触れる方法であることを気づかせてくれる。
普段あまりアートに触れる機会が無い方にもぜひご覧いただき、アートとの出会いを楽しんでいただきたい。