ロベール・ドアノーは世界で最も人気のある20世紀を代表する写真家である。パリ郊外のジョンティイに生まれ、石版画を学んだ後、18歳頃より本格的に写真の世界に入る。雑誌「ヴォーグ」や「ライフ」などに写真を提供し、短編映画の制作に携わる傍ら、生涯に渡りパリとパリに生きる人々を撮影し続けた。雑踏の中を自由に歩き廻りとらえた数々の情景は、ドアノーの持つ洗練されたエスプリとユーモアで鮮明に写しだされている。そして「写真は創るものではなく、探すのだ」というドアノーの言葉の中に、数々の作品を生み出していった彼の確たる姿勢が感じられる。
本展は、何必館コレクションの中から、「子供達」「恋人」「酒場」「街路」「芸術家」の5つのテーマで構成し、サイン入りオリジナルプリント約60点を展覧。また、今回は「アトリエ・ロベール・ドアノー」を訪ね撮影した映像を放映。