<本展覧会についての作家コメント>
曖昧さ
都市や生活の空間は合理性と秩序を求めて造られている。しかし窓やファサード、建築物の間などの内部と外部が出会う場所は、秩序から少し離れたグラデーションを持った緩衝地帯といえる。
今回の制作は、そのような人の意図を超えた曖昧な領域で見れる「光」や「植物」の可能性から始まった。
開催場所のGallery G-77は、グリット構造の京都の街中にある。その周辺には、時の洗礼 を感じさせるテクスチャーと、日本中のどこででも見れるテクスチャーが混在している。 そしてグリッドの中には、歯が抜けたように空き地が点在している。
本展示ではギャラリー周辺の街の構造と、展示する写真の中の構造を、曖昧さを軸にして 連続性を持たせ空間を構成し、ここだけにしかない形式を作り出す。 それは限られた時に限られた場所で行われる「展覧会」のあり方について、もう一度考える試みでもある。