2020年3月、アート×サイエンステクノロジーをテーマとした新しい文化・芸術の祭典、「KYOTO STEAM-世界文化交流祭-2020」が開催され、その主要プログラムの一つとして『新猿楽記~ cirque de kyoto ~』の公演を行う。
平安中期、藤原明衡(ふじわらのあきひら)が著した古典文学「新猿楽記」は、ある晩、京の猿楽見物に訪れた架空の家族・右衛門尉一家に仮託して当時の世相・職業・芸能・文物などを列挙していった芸能尽くし・物尽くし・職人尽くしの書物。
「猿楽」は、舞踊・歌謡・人形劇・奇術・コントから、大掛かりなイリュージョンや身体を張った雑技など、京の大衆が熱狂するあらゆる芸能の要素で充たされていた。
それは、目の肥えた京の大衆の中で揉まれ淘汰されながら、やがてその一部が昇華され、狂言や能・歌舞伎・文楽などへと発展し、今日、伝統芸能とされる日本文化の代表的なカテゴリーを構成するに至った。つまり、芸能文化の原点は、大衆の“熱狂”にあった。老いも若きも熱狂する芸能、それが「猿楽」だった。
そして今、構想から3年を経て、古典文学×伝統芸能×新技術による新たなパフォーマンス『新猿楽記~cirque de kyoto~』がついに完成。
「新猿楽記」に描かれている民衆の「熱」を、日本に渡来し、根付き磨かれていった多彩な芸能と、京都の市井で大切に受け継がれてきた民俗芸能を通じて表現し、様々な民族が言語の垣根を超えて交じり合い高めあう、京都独自の文化創成のプロセスを、大衆のエネルギーに充ち溢れたパフォーマンスとして結実させた。
2020年3月29日(日)、13:00と17:00からの2回、最初で最後の公演が行われる。
■購入方法
・ロームシアター京都 オンラインチケット(要事前登録(無料)/24時間購入可)
・ロームシアター京都 チケットカウンター
TEL 075-746-3201(窓口・電話とも10:00‒19:00 /年中無休/臨時休館日を除く)
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