同館恒例の琳派展の第21弾は、没後200年を記念して中村芳中(?~1819)を特集。
中村 芳中は、江戸後期に京で生まれ、大坂を中心に活躍した琳派の絵師として知られている。はじめ大坂の文人たちと親しく交わり、文人画風の山水画を描いたほか、指頭画の名手としてその名を知られる存在であった。また当時、自由な気風の画家として着目されていた尾形光琳に触発され、琳派が得意とした「たらし込み」を多用した草花図を描き、「光琳風」の画家として広く親しまれた。一方、生涯にわたって俳諧を好み、多くの俳人と交流しながら俳画や俳書の挿絵などを手掛けている。本展では、近年そのゆるい表現が「かわいい」と評される芳中の作品の数々を紹介。
琳派風の草花を描いた屛風や扇面、人気の高い版本『光琳画譜』(享和2年刊)のほか、文人画風の山水画や指頭画、 俳画や俳書の挿絵など、ほのぼのと愛らしい芳中画の世界をお愉しみいただきたい。