Creators@Kamogawa は、日本とドイツのクリエイターが、アートやカルチャーに関連する話題について語り合うイベントシリーズ。今回のテーマは『鳥の音楽』と『花火の記譜法』。
第1部:『鳥の音楽』
太古の昔から、私たち人間は鳥の声に魅せられてきた。ハイドン、ベートーヴェン、ヴァーグナー、シュトラウス二世、マーラー、ラヴェル、メシアンら、多数の音楽家が鳴き声にインスパイアされ、さえずりを模したり、主題にしたり、曲の中に実際に取り入れたりしている。一方、最近の研究によれば、鳥の鳴き声は美しいだけではなく、「言語」であることが確かめられている。この知見は今後の音楽をどのように変えるのか。さえずりの構造をもとにした組曲を作曲中の音楽家と、シジュウカラの音声研究に取り組む動物行動学者が話し合う。
ヤコポ・サルヴァトーリ(作曲家、ピアニスト)
鈴木 俊貴(動物行動学者)
小崎 哲哉(司会、構成)
第2部:『花火の記譜法』
ジョン・ケージは消しゴムをピアノの弦に挟み込み、シュトックハウゼンはヘリコプターの中で奏でる弦楽四重奏を作曲した。現代音楽ファンでなくとも、多くの方がご存じだろうが、花火に材を取った、あるいは花火そのものを「楽器」として用いた音楽を聴いたことはあるだろうか? 今回の話者のひとり坂東さんは、芥川作曲賞を受賞し、その名も「花火」と題する協奏曲を発表した作曲家。レッツェルさんは、花火師の国家資格を取り、花火を用いた演奏会インスタレーションを発表した演出家にして美術家である。花火の何がふたりを虜にしたのだろうか。
レア・レッツェル(演出家、美術家)
坂東 祐大(作曲家、音楽家)
小崎 哲哉(司会、構成)
トークの後は、館内のドイツカフェ『カフェ・ミュラー』にて、ドイツビールやおつまみを片手に交流を楽しめる。交流会では、滞在中のドイツの芸術家の作品も、モニターで見ることができる。